
はじめに
広島県三次市や庄原市、安芸高田市など、県北地域には地域の課題解決に取り組む多くの団体や中小企業の有志が存在します。高齢化対策、地域交流イベント、福祉サービスの提供など、住民の暮らしを支える活動には資金が必要ですが、自己資金や寄付だけでまかなうには限界があり、資金不足が活動継続・拡大の壁となっているのが現状です。こうした地域の活性化や事業拡大を後押しするために、行政や民間による様々な補助金・助成金制度が用意されています。
そうした支援策の一つとして注目したいのが、2025年度の「地域支援活動団体に対する奨励金交付事業」です。この奨励金(助成金)は、北海道に本部を置くNPO法人ツルハ医療・介護サービス協会が、企業グループの社会貢献事業として2023年から実施している制度で、地域に根ざした医療・介護・福祉分野の非営利団体等の継続的な活動を資金面で支援することを目的としています。2025年度は対象地域に広島県を含む中国地方が加えられ、県内の団体も応募できる機会となりました。本記事では、この奨励金交付事業の概要をはじめ、想定される活用例や詳細な要件、申請の具体的手順について分かりやすく解説します。地域密着で活動されている方々が、本制度を理解し、適切に活用できるようサポートいたします。
概要
本事業の概要として、以下のポイントが挙げられます。
① 補助金額: 一団体あたりの交付額は一律で10万円です。採択された各団体には同額が支給され、全国で最大250団体(総額2,500万円)の支給枠が設けられています。
② 補助率: 本事業は定額給付の奨励金であり、通常の補助金のような「補助率」(経費に対する助成割合)の概念はありません。対象経費が10万円以内であれば全額が補助され、10万円を超える部分のみ自己負担となります。
③ 補助対象経費: 奨励金の使途は団体の活動に必要な経費全般が対象となり、特に厳しい制限はありません。ただし営利目的の経費には使えない点や、交付後には活動報告書の提出義務があります。
④ 補助対象者: 応募できるのは、地域で福祉・医療など公益性の高い活動を行う非営利団体です。公益法人、市民団体、ボランティアグループ(高校・大学のサークル等)など法人格の有無を問わず応募可能です。ただし営利企業そのものや活動歴が3年に満たない団体、反社会的勢力に関係する団体は対象外となります。
⑤ 申請期限: 2025年度の場合、第1次募集が令和7年7月1日から9月30日まで、第2次募集が令和7年12月1日から令和8年2月28日まで実施されました。年に2回応募機会があるため、夏頃と冬頃に募集情報をチェックすると良いでしょう。※募集枠は各回200団体(合計400団体応募まで)と定められていました。
⑥ 申請要件: 基本的な要件は、3年以上の活動実績があること、営利を目的としない団体であること、そして反社会的勢力と無関係であることの3点です。新設の団体や営利事業は対象外となりますので注意してください。
⑦ 補助金事務局URL: 事業の詳細案内や申請書様式は、事務局であるNPO法人ツルハ医療・介護サービス協会の公式サイト(https://npo-tsuruha.jp/07_bounty.html)に掲載されています 。応募を検討する際は必ず公式情報を確認し、最新の要項に目を通しましょう。
想定される活用事例
では、実際に地域の現場ではどのような課題があり、本補助金で何が改善できるのでしょうか。想定される活用事例として、まず地域団体が抱える問題点を考えてみます。例えば、広島県三次市のある高齢者支援ボランティア団体(仮称)では、日頃から独居高齢者の見守り活動を続けています。しかし、活動範囲を庄原市や周辺地域にも広げようとすると、人手や設備の不足に加え、資金面での負担が大きな壁となっていました。移動用の車両を借りる費用や、イベント開催時の会場代・チラシ印刷代など、細かな経費が積み重なり、自己資金や寄付金だけでは十分に賄えない状況です。このように、地域貢献に熱意のある団体であっても、資金不足によって活動の維持・事業拡大が困難になるケースは少なくありません。
そこで、本補助金を活用することで具体的にどのような解決が図れるかを見てみましょう。先ほどの団体が「地域支援活動団体に対する奨励金交付事業」に応募し、10万円の助成金を受け取れたとします。この一律10万円の助成金は、小規模団体にとって非常に貴重な財源となります。たとえば、これまで資金不足で断念していた備品の購入や広報活動に着手できるようになります。実際に、安芸高田市の別のグループ(仮称)では、送迎車両の維持費の一部に助成金を充てることでサービス継続のめどが立ちました。結果として、地域住民へのサービス向上と団体の活動規模拡大が実現し、本制度が地域活性化補助金として大きな役割を果たしたと言えるでしょう。
概要で述べた内容の、詳細な説明
ここからは、前述した概要の各項目についてさらに踏み込んで説明します。
補助金額: 採択された団体に交付される奨励金額は、一団体につき一律10万円です。この額は全応募団体共通で、プロジェクトの規模や内容によって増減するものではありません。つまり、どの団体も採択されれば同じ金額を受け取るシンプルな仕組みです。250団体・総額2,500万円という大きな枠が設けられており、10万円という金額は地域のボランティア団体にとって活動費の一部を補うのに十分有用でしょう。
補助率: 本補助金は、通常の補助制度で用いられる「補助率」の考え方が適用しにくい形式です。予め定められた定額(10万円)を奨励金として支給するため、個々の事業費に対して何割を補填するといった計算にはならないからです。上限額以内であれば必要経費の**100%**が賄われ、上限を超える部分のみ自己負担となります。例えば、総事業費20万円の活動であれば10万円が補助され残りの10万円が自己負担となります(実質補助率50%)。このように、実費精算型ではなく定額給付型の助成金であるため、申請段階で詳細な経費見積を提出して「○割を補助してもらう」といった手続きを取る必要がありません。採択後に所定の奨励金がまとめて支給され、団体はその範囲で柔軟に資金を活用できます(ただし適正な活用と後日の報告が求められます)。
補助対象経費: 本奨励金には、対象経費の項目が細かく限定されているわけではありません。団体の地域支援活動を推進・充実させるために必要な経費であれば、基本的に自由に使途を決めることができます。助成金は、団体の運営費や事業費(例えばボランティア活動に使う道具の購入、イベント開催費、資料印刷費、交通費など)に充当できますが、営利目的には使用できません。また、公序良俗に反する用途や、本来の活動目的から逸脱した支出は避けるべきです。交付団体には後日、活動実績報告書の提出義務があるため、助成金を何に使ったかを説明できるよう記録を残し、適切な範囲で利用するようにしましょう。
補助対象者: 応募資格があるのは、「地域支援活動」を行っている非営利の団体です。福祉・医療・介護など地域住民の支えになる分野で積極的に活動している団体であれば、法人格の有無を問わず対象となります。要は、営利を目的とせず地域社会のために継続的な活動を行っている団体であることが条件です。営利企業そのものや、設立して間もない団体(活動歴が3年未満)は対象外となります。
申請期限: 募集期間は年度内に2回設定されます。2025年度の場合、第1次募集が7月1日から9月30日まで、第2次募集が12月1日から翌年2月28日までの日程で行われました。年間に二度チャンスがあるため、夏頃と冬頃に情報収集をしておくことで応募のタイミングを逃しにくくなります。各募集回ごとに応募締切日が明示されていますので、その期日までに余裕を持って申請書類を提出できるよう準備しましょう。
申請要件: 応募にあたって満たすべき主な条件として、過去3年以上の活動実績があること、営利を目的としていないこと、そして反社会的勢力に該当しないこと(およびそれらと関係を有しないこと)が挙げられます。これらの要件を満たしていない場合、応募は受理されませんので自団体の状況を事前に確認しましょう。特に設立からの活動年数や非営利性については、証明できる資料(団体概要や過年度の活動報告書など)を準備しておくと安心です。
具体的な申請手順
最後に、具体的な申請手順について説明します。応募を検討する団体は、まず公式の募集案内を入手し、申請要項を熟読しましょう。広島県内の団体であれば、本事業の応募フォームはNPO法人ツルハ医療・介護サービス協会の公式ウェブサイト上で提供されています。そこから所定の申請書(Excel様式)をダウンロードし、団体の基本情報や活動内容、資金の使途計画など必要事項を記入します。併せて、団体概要や定款、過去の活動実績がわかる資料など必要な添付書類も用意しましょう。書類の準備が整ったら、公式サイト上の申込フォームでExcel申請書ファイルと必要書類(PDF)を添付して送信します。インターネット環境が整っていない場合やファイル送信に不安がある場合は、郵送での応募も可能です。その場合は、申請書データを保存した電子媒体(CD-R等)と必要書類を所定の郵送先へ送付します。
応募後の流れとしては、募集締切までに提出された申請書類は事務局で取りまとめられ、事務局および選考委員会による審査が行われます。選考は、NPO法人ツルハ協会の役員や協力企業(ツルハHD)の関係者、福祉・医療分野の有識者などで構成される委員会によって、厳正に審査されます。採択団体の決定時期は募集終了後しばらく経ってからとなり、結果は公式ホームページ上で公表されます。また、採択団体には通知書が郵送され、奨励金の受領方法などの案内が届きます。その後、交付を受けた団体は、助成事業が完了した年度の終了後3ヶ月以内に活動実績報告書を提出する必要があります。報告書では、助成金を用いてどのような活動を行い、どんな成果があったかを簡潔に報告します。報告書の提出もオンライン上で可能で、書式ファイル(Excel形式)は公式サイトからダウンロードできます。
まとめ
以上、2025年度の地域支援活動団体に対する奨励金交付事業について、その概要から申請方法まで詳しく説明しました。本制度は、広島県内の地域活動団体にとって比較的利用しやすい地域活性化補助金の一つであり、地元の中小企業支援策としても大いに活用が期待できます。10万円という少額でも現場では大きな助けとなり、資金面の支援によってできなかった取り組みを実現したり、活動の規模を拡大したりすることも可能になるはずです。応募にあたっては、公募要項をよく確認し、必要書類を整えた上で期限内に申請することが大切です。また、本記事で取り上げた内容は概要であり、実際の手続きや条件の細部は変更される可能性もあるため、最新情報は必ず公式発表でご確認ください。
補助金の申請は初めてで不安だという方もいらっしゃるかもしれません。そのような場合には、広島県三次市・庄原市・安芸高田市で補助金申請サポートに実績のある行政書士に相談してみることをおすすめします。地元の補助金制度に精通した専門家が、申請書の書き方や必要書類の準備などをサポートしてくれるでしょう。地域の活性化に向けて、適切な支援制度を賢く活用し、ぜひ皆様の活動に役立ててください。
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