はじめに
2025年12月22日、中小企業庁から「小規模事業者持続化補助金<創業型>」に関する最新の案内(チラシ)が公開され、大きな注目を集めました。


小規模事業者持続化補助金(創業型)は、創業間もない小規模事業者の販路開拓や事業拡大を支援するために経費の一部を国が補助する全国的な制度(中小企業支援策)です。
広島県で起業されたばかりの事業者にとっても、販路拡大や設備投資の資金を確保できるありがたい補助金・助成金制度と言えるでしょう。実際、この補助金は地域の小規模事業者の生産性向上と持続的発展を目的として設計されており、地方で頑張る創業者にとって事業拡大や地域活性化補助金としての期待も大きいものです。
今回公開された令和7年度補正予算版の「創業型」補助金チラシで明らかになったのは、対象事業者の条件が従来の「創業後3年以内」から「創業後1年以内」に短縮されたという点です。
これは創業から1年以上経過した事業者にとっては残念な変更と言えます。もともと創業型は「創業後3年以内の小規模事業者」を主な対象として掲げていた制度でしたが、補正予算による今回の公募では“創業後1年以内”というより限定的な条件となっています。
言い換えれば、この補助金は“創業したばかり”の事業者をより手厚く後押しする狙いで制度設計が見直されたようです。そのため、創業から1年以上経過している事業者は本創業型枠では申請できず、別枠の通常枠(一般型)など他の補助金(地方自治体の地域向け補助制度を含む)の活用を検討する必要があります。とはいえ、創業から間もない方にとっては貴重な資金支援策ですので、本記事ではこの「小規模事業者持続化補助金(創業型)」について、最新情報を踏まえて詳しく解説します。
概要 ①補助金額 ②補助率 ③補助対象経費 ④補助対象者 ⑤申請期限 ⑥申請要件 ⑦補助金事務局URL
補助金額(上限額)は、創業型の場合上限200万円です。これは一般型(通常枠)の上限50万円と比べて大幅に高く、新規創業した小規模事業者がより大きな支援を受けられるよう配慮された金額設定です。また、条件を満たすことで特例的に最大250万円まで上限が引き上げられる仕組みもあります。具体的には、適格請求書発行事業者(いわゆるインボイス制度)への新規登録を行った場合のインボイス特例により一律50万円の上乗せが可能であり、これを活用すると上限が200万円から250万円に増額されます(※賃上げ等に関する特例も今後公募要領で示される可能性がありますが、執筆時点ではインボイス対応による上乗せが想定されています)。
補助率(経費に対し補助金が出る割合)は2/3(3分の2)です。例えば対象経費100万円のプロジェクトであれば、その2/3である66万6千円までが補助金として支給され、残り1/3(33万4千円)を自己負担するイメージです。創業間もない小規模事業者にとって2/3もの補助が得られるのは大変心強い支援策と言えます(※なお、一般型では赤字事業者が賃上げ特例を活用する場合に補助率が3/4に引き上げられる措置がありますが、創業型で同様の補助率優遇が適用されるかは公募要領の確認が必要です)。
補助対象経費として認められる費用の範囲も幅広く設定されています。
具体的には、機械装置等の設備導入費, 広報費(広告宣伝費), ウェブサイト関連費, 展示会出展費, 旅費, 新商品開発費, 外注費(専門家や業者への委託費)など、中小企業の販路開拓や生産性向上に資する様々な経費が対象です。たとえば新商品のPRチラシ作成やHP・ECサイトの構築、店舗の改装、試作品の開発、商談会への出張費用なども補助対象経費に含まれます。なお、経費区分ごとに細かな制限もあります。ウェブサイト関連費用については補助対象経費になりますが、申請する補助金額の1/4上限(最大50万円まで)という上限設定がある点に注意が必要です。これは補助金の大部分がウェブサイト制作費に偏らないようにするためのルールで、他の経費についても公募要領で細かな条件が定められます。
補助対象者(この創業型枠に申請できる事業者)は、ズバリ「創業後1年以内」の小規模事業者です。小規模事業者とは、その事業の常時使用する従業員数が一定以下の企業・個人事業主を指します。業種によって基準は異なりますが、例えば商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)なら従業員5人以下、製造業その他なら20人以下といった基準があります。創業型の場合はさらに創業からの経過年数で制限があり、公募締切日時点で開業日(法人設立日)から1年以内であることが条件となります。これは昨年までの「創業3年以内」よりも厳しい条件ですが、その分本当に創業間もない層に絞って支援しようという趣旨です。なお、「創業後1年以内」であれば、法人登記や開業届出を済ませたばかりで**まだ事業を開始していない段階(プレ営業段階)**の事業者であっても申請対象に含まれます。要は、「これから事業を本格展開するぞ」という初期段階にいる小規模事業者を後押しする枠組みと言えます。
申請期限(応募の締切日)については、公募要領が公開された後に正式に発表されます。
令和7年度補正予算を活用した今回の創業型については2026年1月中に公募要領が公開され、申請受付が開始される予定です。
具体的な第一次締切日等は現時点で未定ですが、前年度(2025年)の例では3月上旬に公募要領公開、6月中旬に第1回目の申請締切が設定されました。さらに2025年は第2回公募として11月下旬にもう一度締切が設けられています。
同様に2026年も年内に複数回の公募(締切)が行われる可能性がありますので、申請検討中の方は1回目の締切だけでなく年間スケジュールを把握しておくことが重要です。最新の期限日程は中小企業庁や補助金事務局の発表を必ず確認してください。
申請要件として特に重要なのが、認定市区町村等による「特定創業支援等事業」の支援を受けていることです。簡単に言えば、創業者向けの公的な支援プログラム(創業セミナーや創業塾、継続相談等)を受講し、自治体からその修了証明(支援を受けたことの証明書)を取得しておく必要があります。
この制度は産業競争力強化法に基づく創業支援の枠組みで、創業期の起業家に対し自治体や認定支援機関が経営・財務・人材育成・販路開拓に関する継続的支援(原則4回以上の講義や相談)を行い証明書を発行するものです。
証明書の取得には1ヶ月程度(週1回の相談を×4回受ける等)の時間を要しますので、補助金の申請を検討する場合は早めに地元自治体の創業支援事業を調べて参加すると良いでしょう。例えば各自治体でもそれぞれ創業希望者向けの支援事業を実施しており、所定のプログラム修了者に証明書を発行しています。
この証明書の発行日および事業の開業日が、公募締切日から遡って1年以内であることが創業型補助金の応募要件となっていますので、その点も忘れず確認しましょう。加えて、本補助金に応募するには商工会議所または商工会から事業計画書の確認・支援を受ける必要があります。申請書類一式の中に、商工会議所等が発行する「事業支援計画書(様式4)」を含めることが求められており、日頃から事業所所在地の商工会等と連携しておくことも大切です。
補助金事務局URL(公式案内サイト)は以下の通りです。現在、中小企業庁の公式サイト上で案内されている**「小規模事業者持続化補助金<創業型>事務局HP」にアクセスすることで、公募要領やQ&A、申請方法の詳細を確認できます。この事務局サイトでは公募開始後に電子申請システム(Jグランツ)へのリンクや各種様式のダウンロードも提供される見込みです。応募予定の方はブックマークしておくとよいでしょう。
想定される活用事例 ①事業者様が従来から抱えておられる問題点 ②補助金による具体的な問題解決イメージ
新たに創業した小規模事業者の方々がまず直面する課題の一つは、資金不足による販路開拓の難しさです。
たとえば庄原市で地元産の農産物を活用したレストランを創業したケースを考えてみましょう(「庄原フードカフェ」(仮称)とします)。
創業当初は知名度が低く、チラシを作成して地域にPRしたり、お店を改装して魅力を高めたりしたくても、広告宣伝費や店舗改装費を捻出するのは簡単ではありません。結果として、集客が思うように伸びず売上が安定しない――これは地方で創業した飲食店によくある悩みです。
しかし、この創業型補助金を活用すれば、チラシ作成やSNS広告配信、店舗内装のブラッシュアップといった販路開拓・集客向上策の費用の2/3が補助されます。自己負担を抑えて必要なマーケティング投資ができれば、認知度向上による集客増加が見込め、売上アップと事業の軌道化につながります。
実際、地域食材レストランの店舗改装費やSNS広告費に本補助金を充てて集客に成功した例も公式に挙げられており、創業間もない飲食業の強い味方と言えるでしょう。
また、設備投資資金の不足も創業期の中小企業によく見られる課題です。例えば庄原市や安芸高田市で創業した小さな製造業者(「安芸高田メタルワーク」(仮称)とします)があるとしましょう。
創業当初は受注獲得のために試作品を手作業で作っていましたが、生産効率を上げ品質を安定させるには自動溶接機などの新しい機械設備が必要です。しかし、高性能な機器導入には多額の資金が必要で、創業したての企業には大きな負担となります。このようなケースでも、本補助金を活用すれば機械装置の導入費用の大半(2/3)を補助してもらうことができます。
例えば200万円のロボット溶接機を導入する場合、本来なら全額自己資金で賄うところを約133万円の補助金が得られ、自己負担は約67万円で済みます。これにより、創業したての企業でも先進的な設備投資に踏み切るハードルが格段に下がります。
実例として、公募資料では金属加工業でロボット溶接機を導入し生産性向上を果たした活用例が紹介されています。設備投資によって生産効率や製品クオリティが向上すれば、受注増加や事業拡大(事業拡大 補助金の効果)につながり、ひいては地域内の雇用創出や取引拡大を通じて地域経済の活性化にも寄与するでしょう。
このように、小規模事業者持続化補助金<創業型>は「広告宣伝をしたい」「店舗や設備に投資したい」といった創業期によくあるニーズに応える具体的な支援策です。
広島県でこれからビジネスを軌道に乗せようとする方々にとって、自己資金の不足という問題点を補助金でカバーし、事業課題を解決するイメージが持てるのではないでしょうか。ぜひ「こんなことに使えるだろうか?」という観点で、自社の課題と補助金の対象経費を照らし合わせてみてください。
概要で述べた内容の、詳細な説明 ①補助金額 ②補助率 ③補助対象経費 ④補助対象者 ⑤申請期限 ⑥申請要件
ここからは先述の概要項目について、もう少し踏み込んだ説明を行います。創業型補助金の制度を正しく理解し、有効に活用するために知っておきたいポイントを順に見ていきましょう。
①補助金額(補助上限額)の詳細: 創業型の補助上限額は200万円です。
この金額は、従来からある一般型(通常枠)の上限50万円に比べて大幅に高く設定されています。その背景には、創業初期の事業者は販路開拓や設備投資にまとまった資金を必要とする一方で自己資金が乏しいケースが多いため、より手厚い支援が必要であるという考えがあります。事実、一般型では基本50万円だった上限額を創業型では4倍の200万円とすることで、例えば店舗改装や機械導入といった比較的大きな支出にも対応できるよう配慮されています。
また、特例措置を活用することで最大250万円まで増額可能となっている点も重要です。
特例の代表例がインボイス発行事業者への転換に伴う上乗せ(インボイス特例)で、これは令和5年10月の適格請求書等保存方式(インボイス制度)開始に合わせた中小企業支援策の一つです。具体的には、これまで消費税免税事業者だった創業者が新たに課税事業者となり適格請求書発行事業者の登録を受けた場合、一律で+50万円補助上限が引き上げられます。
創業型の場合、基本200万円+インボイス特例50万円=合計250万円が上限となるわけです。なお、一般型ではこれに加えて賃上げ実施による特例(+150万円)も組み合わせ可能でしたが、創業型について令和7年度補正予算版で賃上げ特例が適用されるかどうかは公募要領を確認する必要があります。
仮に賃上げ特例が盛り込まれる場合でも、創業間もない事業者では従業員数が限られ賃上げ実施が難しいケースも多いため、まずはインボイス特例による上乗せを念頭に準備を進めると良いでしょう。いずれにせよ、最大250万円という補助額は創業者にとって非常に魅力的であり、自己資金や融資と組み合わせて計画的に活用すれば事業展開を大きく加速できる可能性があります。
②補助率の詳細: 補助率とは、補助対象経費に対してどの程度の割合の補助金が支給されるかを示すものです。創業型では補助率2/3(66.66%)が基本となります。
この補助率は一般型と同様で、例えば総額150万円の経費を計上する計画の場合、その2/3にあたる100万円が補助金として交付され、残りの50万円は自己資金等で負担する形になります。
補助率2/3という数字は、中小企業向け補助金の中でも比較的高い部類に入ります(多くの他制度では1/2程度の補助率も多い中、本事業は創業期支援のため手厚い割合となっています)。なお、補助率に関して特筆すべき特例として、一般型では賃金引上げ特例を活用した赤字事業者に限り補助率が3/4に引き上げられる措置が設けられています。
創業型でも賃上げ特例等が適用される場合には公募要領に明記されるはずですが、現段階では詳細不明のため、基本は2/3であると認識しておきましょう。仮に補助率3/4が適用できるケースがあれば自己負担は1/4で済むことになりますが、創業まもない事業者が賃上げ要件を満たすのはハードルが高いため、過度に期待せず計画を立てることをおすすめします。
いずれの場合も、補助金はあくまで経費の後払い(精算払い)である点に注意が必要です。補助事業に採択された場合、まず事業者が全額自己資金等で取り組みを実施し、その後実績報告を経て補助金額が確定し支払われる流れになります。したがって、補助金を見込んだ上でも、一時的に立替できる資金計画を用意しておくことが重要です。
③補助対象経費の詳細: 創業型補助金で認められる経費範囲は多岐にわたり、基本的には販路開拓や生産性向上に直接寄与する費目が網羅されています。主な補助対象経費として、公募要領等で例示されているものを挙げると以下のようになります。
- 機械装置等費:生産設備や業務用機器の購入費用です。製造業であれば加工機械や検査装置、サービス業でも業務効率化のための専用ソフト・機器などが該当します。創業間もない企業が新たな設備を導入する際、その費用の大部分を補助金でカバーできるのは大きなメリットです。例)ロボット溶接機の導入費、飲食店の厨房機器購入費など。
- 広報費:広告宣伝に要する費用です。チラシ・パンフレットの印刷代、新聞や雑誌への広告掲載料、看板やポスター作成費、さらにはWeb広告の出稿費用などが対象となります。地域のイベントで配布する販促物や、店舗前に設置する看板作成など、売上拡大に直結する宣伝活動の費用を補填できます。例)地域食材レストランのチラシ作成費やSNS広告費。
- ウェブサイト関連費:自社サイトやECサイトの構築・改良、SEO対策、ネットショップ開設等にかかる費用です。但し、ウェブ関連費用は全体の補助対象経費の1/4まで、かつ補助金額上限50万円までといった上限規定があります。これは補助金の使途がウェブ制作費に偏りすぎないようにするための措置です。例えば200万円の補助金申請をする場合、そのうち最大50万円分までをホームページ制作等に充てることができます。ウェブは現代の販路開拓に不可欠ですが、予算配分には注意しましょう。
- 展示会等出展費:新規顧客開拓のために展示会や見本市、商談会に出展する費用です。出展料、会場小間料、ブース装飾費、当日配布するノベルティや資料作成費、会場までの輸送費などが該当します。地方の事業者が都市部の展示会に出て販路を開拓する際など、本補助金で費用負担を大きく減らせます。
- 旅費:販路開拓や市場調査のための旅費交通費です。展示会出張や取引先訪問、新規市場の調査のための交通費・宿泊費が補助対象になり得ます(公募要領で細かい条件あり。日当や飲食費は対象外等の制限があります)。創業期は予算が限られ遠方への営業活動を諦めがちですが、補助金で旅費が補填されるなら積極的に市場開拓に赴けるでしょう。
- 新商品開発費:文字通り新商品の試作開発にかかる材料費や外注費などです。創業したての事業者が新サービスや新商品を投入して競争力を高める際、その試作品製作費やテストマーケティング費用を補助金で支援してもらえます。ただし汎用資材の購入費などは対象にならず、あくまで開発に直接必要な経費に限られる点に留意が必要です。
- 委託費・外注費:自社で対応できない専門作業を外部に委託した場合の費用です。例として、商品デザインをプロのデザイナーに委託する費用や、システム開発を外注する費用、マーケティングリサーチを専門機関に依頼する費用などが該当します。創業間もないと社内リソースが不足しがちですが、補助金が出るなら専門家の力を借りやすくなります。
以上が主な経費項目ですが、この他にも細分類が存在します。実際の公募要領では経費区分ごとに細かな定義や対象条件が記載されますので、申請時には必ず公式の公募要領を熟読してください。経費の使途が補助対象かどうか不明な場合、事前に事務局や地域の商工会等に相談すると安心です。不適切な経費計上をすると後日補助金が受け取れないリスクもありますので注意しましょう。
④補助対象者の詳細: 補助対象者とは、この創業型枠に応募できる資格を持つ事業者のことです。基本条件は前述の通り「創業後1年以内」の小規模事業者であることです。まず“小規模事業者”の定義について補足すると、中小企業基本法とは別に小規模企業振興基本法等で定められる基準が適用されます。業種区分ごとに常時使用する従業員数で判断され、典型的には次の通りです。
- 製造業・建設業・運輸業その他:20人以下
- 商業・サービス業:5人以下 (ただし宿泊業・娯楽業は20人以下)
個人事業主(自営業)の場合も上記従業員数に応じて判断され、自分ひとり(または家族従業員のみ)で営んでいる事業であれば小規模事業者に該当します。創業型ではこれら小規模事業者であってなおかつ創業から1年以内という時間要件が加わります。
ここで言う「創業」とは、個人事業主であれば税務署に開業届を提出した日、会社法人であれば法務局に法人設立登記された日(設立年月日)を指します。例えば2025年2月1日に開業届を出した個人事業主であれば、2026年1月末頃までに締切となる公募には「創業後1年以内」として応募資格がありますが、2026年3月以降締切の公募には1年を超えてしまうため応募できない、という形になります。この開業日(設立日)が公募締切の過去1年以内であることが絶対条件となりますので、自身の創業日を今一度確認しておきましょう。
さらに重要なポイントとして、「認定市区町村等による特定創業支援等事業の支援を受けていること」という条件があります。これは単に創業時期が満たされているだけでなく、創業者が自治体等の公式な創業支援プログラム(特定創業支援等事業)を活用していることを求めるものです。具体的には、産業競争力強化法に基づき経済産業大臣から創業支援事業計画の認定を受けた「認定市区町村」およびその連携機関が提供する創業支援サービス(経営・財務・人材・販路の知識を提供するセミナーや相談会等)を受講し、自治体から証明書を発行してもらう必要があります。この証明書こそが「特定創業支援等事業を受けたことの証明書」であり、補助金申請時に写しを添付しなければなりません。
証明書の発行には、自治体にもよりますが1か月程度の継続支援(週1回×4回の講義受講など)が必要ですので、時間に余裕を持って準備しましょう。広島県内でも多くの市町村が創業支援事業計画の認定市区町村となっており、各地で創業スクールや創業相談事業を実施しています。
これから申請を目指す方は、お住まい・事業所所在の市町でどのような創業支援策があるか早めに調べて参加することをおすすめします。証明書には有効期限もあります(本補助金では公募締切から遡って1年以内に受講・発行されていることが条件)ので、昨年以前に受講済みの方も改めて条件を満たすか確認してください。
なお、補助対象者に関連して創業形態についての注意点も挙げておきます。法人・個人の別やフランチャイズ加盟店であるか否かなどは基本的に問われません。ただし反社会的勢力でないこと、暴力団排除条例に抵触しないこと、公序良俗に反しない事業であることなど、補助金交付対象者としての一般的な制約は適用されます。また、過去に不正受給で処分を受けた者は対象外になる場合があります。これらは公募要領に「応募者の資格」として詳細に記載されますので、該当しないかどうか確認しておきましょう。
⑤申請期限の詳細: 創業型補助金の公募スケジュールは年度ごとに設定されます。令和7年度補正予算による今回の創業型では、2026年1月に公募要領公表・公募開始予定と公式に発表されていますsmbiz.asahi.com。気になる申請締切日ですが、第1回公募については今後正式にアナウンスされる見込みです。参考までに、前年度の実績を紹介します。令和7年度当初予算で実施された創業型補助金では、第1回公募要領が2025年3月4日に公開され、同年6月16日に応募受付締切となりましたmirasapo-plus.go.jp。その期間に全国で3,883件の申請があり、審査の結果1,473件が採択されていますmirasapo-plus.go.jp(採択率約38%、後述)。続いて第2回公募が同年9月下旬〜11月28日まで実施されましたr6.jizokukahojokin.infor6.jizokukahojokin.info。このように年に複数回のチャンスが用意される場合がありますが、当然ながら各回の締切を過ぎると次回まで待たねばなりません。創業直後はタイミングが勝負ですから、逃さず応募できるよう常に最新情報をチェックしておきましょう。締切日は「〇月〇日 17時必着」など時間指定がありますので、余裕をもって準備することも大切です。また昨今、申請は完全電子申請(Jグランツ)で行う方式となっており郵送提出は認められていませんr6.jizokukahojokin.info。締切間際にシステム障害等が起きても救済措置は基本無いため、できれば締切日の数日前までに送信を完了させるくらいの計画で準備しましょう。
⑥申請要件の詳細: 申請要件とは、応募するにあたり満たしておかなければならない条件や、用意すべき事前準備のことです。創業型補助金の場合、最大のハードルは前述した特定創業支援等事業の受講・証明書取得でしょうsmbiz.asahi.com。これは補助金に応募するための“資格”のようなもので、この証明書が無いと門前払いになってしまいます。したがって、創業後1年以内の事業者で補助金利用を検討している方は、まず自治体や商工会議所等が開催する創業塾・創業セミナー、ワンストップ創業相談などのプログラムを探して申し込みましょう。例えば、「○○市創業支援事業計画に基づく特定創業支援事業」と銘打たれたセミナーがそれに該当します。受講後、自治体(市役所等)に申請して証明書を発行してもらい、それを補助金申請書類に添付します。
次にGビズIDプライムの取得も必須ですsmbiz.asahi.com。GビズIDプライムとは、政府のオンライン申請ポータル(Jグランツなど)を利用するための企業・個人事業主向け認証IDです。取得には2週間程度かかる場合があるため、まだ持っていない方は早急に申請手続きをしましょう(書類郵送による確認が必要なため時間に余裕をもつ)。これが無いと電子申請自体ができません。
さらに、商工会議所・商工会への事前相談も強く推奨されますsmbiz.asahi.com。補助金申請には事業計画書の作成が欠かせませんが、経験の浅い創業者にとって計画書作成は難易度が高い作業です。地域の商工会議所や商工会では、経営指導員や補助金アドバイザーが計画づくりをサポートしてくれますsmbiz.asahi.com。また、申請書類一式には商工会議所等が発行する**事業支援計画書(様式4)**を添付する必要があるため、遅くとも申請書提出の数週間前には相談し、様式4の発行依頼を済ませておく必要があります。商工会との連携は単なる書類上の要件に留まらず、計画のブラッシュアップや不明点の解消など多くのメリットがありますので、ぜひ積極的に活用してください。
他にも、申請書類として**経営計画書(様式2,3)**の作成、補助事業計画に関連する見積書の取得、補助事業の具体的な実施計画スケジュールの策定など、準備すべきことは多岐にわたりますr6.jizokukahojokin.info。創業型補助金は審査があり不採択の場合もあるためr6.jizokukahojokin.info、単に条件を満たすだけでなく「他の応募者に負けない充実した事業計画」を作り上げることが採択への重要なポイントです。その意味でも専門家のアドバイスは大いに役立つでしょう。
最後に、事務的な要件として期限厳守と書類不備の無いことは大前提です。いかに事業内容が優れていても、期限までに申請できなかったり書類不備で受付けてもらえなかったりすれば元も子もありません。応募要項に沿って正確に書類を準備するようにしましょう。公募要領にはチェックリストも載っていますので、提出前に必ず確認してください。
以上が概要項目の詳細な説明です。創業期の忙しい時期にこれだけの準備を整えるのは大変かもしれませんが、一度計画書を作成し支援プログラムを受講しておけば、補助金の獲得だけでなく自身の事業計画を見直す良い機会にもなります。地域の支援機関の力も借りながら、ぜひチャレンジしてみてください。
具体的な申請手順
それでは、実際に補助金申請を行う際の具体的な手順を時系列で説明します。創業型補助金の申請プロセスは、大まかに以下のステップに沿って進みます。
1. 公募要領の入手と制度内容の確認: まず、補助金事務局の公式サイトや中小企業庁のホームページにアクセスし、公募要領をダウンロードします。公募要領には今回募集の詳細な条件、評価の観点、必要書類一覧、提出方法など全てが記載されています。2026年1月に公開予定の公募要領smbiz.asahi.comを熟読し、自社が応募資格を満たしているか、どのような経費を申請できそうかを確認しましょう。また、スケジュール(締切日や採択発表時期、補助事業実施期間等)もこの段階で把握しておきます。
2. GビズIDプライムの取得: 次に、電子申請に必要なGビズIDプライムアカウントを取得しますsmbiz.asahi.com。既に取得済みの場合はスキップできますが、未登録の場合は至急手続きを開始してください。GビズIDの取得には、オンライン申請後に印鑑証明書等を郵送するステップがあり、申請から発行まで2週間程度かかることがあります。時間に余裕のない創業者にとって意外な落とし穴となるので要注意です。GビズIDプライムはJグランツ(政府共通の補助金申請システム)にログインするために必要不可欠な鍵ですので、これが無いと始まりません。
3. 創業支援事業の受講・証明書取得: まだ特定創業支援等事業を受けていない場合、この段階で速やかに受講計画を立てます。自治体や認定創業支援機関(金融機関や産業支援機関など)が開催する創業スクール・創業者向けセミナー、個別相談会等に参加し、必要な回数(一般に4回以上)の講義・相談を受けます。全プログラムを修了したら、市区町村役場に証明書発行申請を行いましょう。役所での発行手続にも日数がかかる場合がありますので、締切のギリギリにならないよう計画的に。証明書が発行されたら大切に保管し、申請書類提出時にコピーを添付します。
4. 事業計画書・申請書類の作成: 補助金申請の核となる事業計画書(経営計画書+補助事業計画書)の作成に取り掛かります。
様式第2・第3と呼ばれる計画書フォームに、自社の企業概要、今回取り組みたい販路開拓等の事業内容、期待される効果、資金計画、補助金の使途内訳などを詳細に記載します。初めて計画書を作る場合、何から書けば良いか戸惑うかもしれません。その際は商工会議所や商工会の経営指導員に相談しましょう。
計画のポイントや書き方のアドバイスがもらえるほか、書いた計画書をチェックしてもらうことでクオリティを高めることができます。また、商工会議所等から交付してもらう**事業支援計画書(様式4)**の作成依頼もこのタイミングで行います。
様式4は「この事業者は商工会議所の指導を受けました」という証明兼推薦状のような書類で、発行までに面談や計画内容の確認が必要です。遅くとも締切の2週間前くらいには依頼を済ませ、余裕を持って受け取っておきましょう。
併せて、補助対象経費ごとの見積書も準備します。例えば機械を購入するなら販売業者から見積書を取り、広告を発注するなら制作会社から見積書をもらいます。
補助金では通常、50万円以上の経費項目について複数社からの相見積もりを求められることがあります(公募要領を確認)。創業間もないと馴染みの業者も少ないかもしれませんが、インターネット等で調べて複数の見積取得に努めましょう。見積金額は計画書に記載する金額の根拠となります。
5. 書類の最終チェックと電子申請(提出): 計画書、見積書、証明書、様式4など必要書類が揃ったら、書類一式の最終チェックを行います。公募要領に掲載のチェックリストを活用し、不備や記入漏れがないか確認してください。特に見積書の金額と計画書の予算欄が一致しているか、証明書の日付が要件を満たしているか等は審査以前の問題として重要です。準備ができたら、補助金事務局の案内に従いJグランツ上で電子申請を行います。Jグランツにログインし、該当する「小規模事業者持続化補助金<創業型>○回公募」の申請フォームに沿って必要事項を入力、添付書類をアップロードし、送信します。電子申請が完了すると受付番号が発行されますので控えておきましょう。提出期限までに送信完了していれば応募手続きは完了です。送信後、事務局で書類不備等のチェックが行われ、問題なければ正式に受理となります。
6. 審査・採択結果の通知:
提出締切後、補助金事務局および外部有識者による書面審査が行われます。応募数が多い場合、採択率は決して高くありません。前回(第1回公募)では約38%の案件が採択されましたが、裏を返せば6割強は不採択だったということです。
審査では計画の妥当性や事業効果、実現可能性、補助金の必要性などが評価されます。採択・不採択の結果は公募要領に記載のスケジュールで通知され、採択者には事務局から採択通知書が郵送またはオンラインで交付されます。
不採択の場合も事務局サイト上で受付番号ごとに結果が公表されます。採択された場合、晴れて補助事業を開始できますが、正式には事務局から後日交付される交付決定通知書を受領してから経費を使い始めるルールになっています。
交付決定前に支出した経費は補助対象とならないので注意してください。交付決定後は計画に沿って事業を実施し、完了後に実績報告書の提出→精算手続きという流れになります。こうした一連の手順を経て、最終的に補助金が支払われます(指定口座への振込)。
以上が応募から交付までの大まかな流れです。特に応募準備(ステップ1〜5)に5〜6週間程度は見ておく必要があります。時間的な余裕がない中で計画を練り上げるのは大変ですが、締切に追われて不備のある申請を出すより、早め早めの行動で確実な応募を目指しましょう。
まとめ
「小規模事業者持続化補助金<創業型>」は、創業まもない事業者にとって事業発展の追い風となる頼もしい制度です。最大200万円(条件次第で250万円)もの補助金を得られるチャンスがあり、広告・販促から設備投資、新商品開発まで幅広い用途に使える点で、広島県で起業した方々にも大いに活用していただきたいところです。特に地方では販路拡大や設備導入の資金確保が都心部以上に難しいケースもありますが、本補助金を上手に使えばそのハードルを下げ、事業拡大と地域活性化に繋げることができるでしょう。
しかしながら、今回の令和7年度補正予算版では対象期間が「創業後1年以内」と非常に短く設定されており、該当するのはごく最近創業した事業者に限られます。言い換えれば、「創業してすぐ動き出す」敏速さが求められる制度です。もしこの記事をお読みの方で、「自分はまだ創業して1年経っていない」という方がいらっしゃれば、この機会を逃さないよう前向きに検討してみてください。一方で1年を過ぎてしまった事業者の方も、一般型(通常枠)の持続化補助金や、自治体独自の補助金制度がありますので、別の支援策を検討することで道は開けます。当ブログでも自治体の補助金情報や助成金制度を引き続き紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
最後に、補助金申請には準備すべき書類や満たすべき条件が多く、初めての方には戸惑う点も多いかもしれません。創業者にとって本業の運営と並行しての申請準備は負担に感じられることでしょう。
そのような場合は、行政書士など専門家への相談・依頼も検討してみてください。広島県には、補助金申請サポートに精通した行政書士(国家資格者)がいます。
専門家であれば公募要領の読み解きから事業計画書の作成支援、電子申請の代行までトータルでサポートしてくれます。不備のない申請書を作成し、採択率を高めるためにも、プロの力を借りることは有効な戦略です。
本補助金にチャレンジしてみようと思われた方は、ぜひお近くの行政書士にお気軽にご相談ください。公式情報の確認を怠らず準備万端整えた上で、地域の未来を担う創業者の皆さまがこの制度を活用し、事業成功への一歩を踏み出されることを願っています。

