「令和8年度 伝統文化親子教室事業(地域展開型)」

目次

はじめに

広島県北部の三次市・庄原市・安芸高田市のように、人口規模や交通事情の関係で「子どもが伝統文化に触れる機会を定期的に確保するのが難しい」という声をよく伺います。一方で、地域の茶道、華道、和装、囲碁、将棋などの担い手側も「次の世代につなぐ場がつくれない」「体験の入口がない」と悩みがちです。こうした課題に対して、文化庁の「令和8年度 伝統文化親子教室事業(地域展開型)」は、自治体等が中心となって体験機会をつくり、継続的な学びへつなげる取組を後押しする制度です。

なお本事業は、一般的な「補助金(精算払いで補助率○分の○)」というより、審査で採択された団体が事業を実施し、採択後に事務局と委託契約を結ぶ「委託事業」の性格を持ちます。言い換えると、地域の文化活動を“事業として設計し、証憑を整え、成果を説明する”ことが求められます。


概要 ①補助金額 ②補助率 ③補助対象経費 ④補助対象者 ⑤申請期限 ⑥申請要件 ⑦補助金事務局URL

①補助金額は、要望額(事業対象経費)の上限が1団体(事業者)あたり500万円とされています。採択された場合でも、採択額(委託経費額)は予算の範囲で決まり、要望額と一致しないことがあります。

②補助率については、本事業が「補助」ではなく「委託」であるため、一般的な補助金のように補助率が明記される制度設計ではありません。採択後に委託契約を締結し、契約期間内に発注・納品され、事業に使用された物品・役務等で、領収書等の証憑を整えた支出が経費対象となる、という整理になります。

③補助対象経費は、人件費(臨時雇用または既雇用者が事業業務を担う賃金)、諸謝金(指導謝金や協力謝金)、旅費、借損料(会場使用料や用具・機材等のレンタル)、消耗品費(単価5万円未満のテキスト代や体験材料等)、通信運搬費(郵送・宅配)、雑役務費(チラシのデザイン・印刷製本、映像作成、撮影、会場設営等の外注、振込手数料など)、保険料(参加者の傷害保険等)、消費税相当額、一般管理費(一定範囲)、再委託費(一定要件の範囲)といった枠組みで整理されています。

④補助対象者(応募団体)は、地方公共団体、地方公共団体が中心となって参画する実行委員会、または伝統文化等の振興等を目的とし運営基盤を有する団体(一般社団法人・一般財団法人・公益法人・NPO等を含む)とされています。また、株式会社(営利法人)や個人、学校法人、宗教法人は応募できない旨がQ&Aで明記されています。

⑤申請期限は、募集期間が令和8年1月6日(火)から令和8年2月5日(木)15時までです。メールサーバーへの到着時刻で受領判定され、期限後の受領は認めないとされています。

⑥申請要件は、事業内容として子どもが伝統文化等を体験し、歴史や内容の理解にもつながる取組であることが前提です。地域展開型には「教室参画事業」と「教室代替事業」があり、それぞれ所定の要件を満たす必要があります。さらに、事業実施時および事業終了後(概ね1年後)にアンケート・追跡調査を行い効果測定を報告することも求められます。

⑦補助金事務局URLは、事業概要ページが https://oyakokyoshitsu.jp/chiiki/r8-gaiyo.html で、募集案内PDF等のダウンロード一覧が https://oyakokyoshitsu.jp/chiiki/download_r8.html です。


想定される活用事例 ①事業者様が従来から抱えておられる問題点 ②補助金による具体的な問題解決イメージ

①事業者様が従来から抱えておられる問題点として、三次市・庄原市など中山間地域では、子どもが放課後や週末に通える教室の選択肢が限られ、分野が偏りやすい点が挙げられます。学校行事と重ならない時間帯で、会場を確保し、指導者の移動も含めて運営するとなると、地域側の持ち出しが増え、結果として「単発の体験会だけで終わってしまう」という課題が起きがちです。また、担い手側も高齢化が進み、「若い世代に見てもらう機会が少ない」「継続的に学ぶ入口がつくれない」と感じやすい構造があります。こうした悩みは、広い意味では地域の人材循環やコミュニティ維持に直結するため、広島県 補助金や地域 活性化 補助金を探している方の関心領域とも重なります。

②補助金による具体的な問題解決イメージとしては、まず自治体や実行委員会が中心になり、地域内外の指導者・教室と連携して「きっかけ作りの体験イベント」を設計します。そこから、参加した子どもが通える範囲の教室へ誘導する動線をつくることで、“体験→継続”へつなげられます(教室参画事業の考え方)。 さらに、周辺に教室が少ない分野や、対象年代の人口が少なく教室実施が難しい地域では、体験の入口に加え、計画的・継続的な教室に代替する取組をセットで用意することで、学びの機会そのものを地域で組み立てることができます(教室代替事業の考え方)。

例えば「三次文化継承プロジェクト(仮称)」が、和装と礼法の体験会を入口にし、年数回の継続講座を用意して地域内の活動へ接続する、といった設計が現実的です。ここで重要なのは、単なるイベント運営ではなく、事業計画・参加者募集・安全配慮・経費管理・効果測定まで一体で設計する点です。こうした体制づくりは、いわゆる中小企業 支援や事業拡大 補助金の申請で求められる「計画性」「証憑管理」と共通する部分があり、地域団体でも“事業としての型”をつくることで、次年度以降の別の公募にも応用しやすくなります。


概要で述べた内容の、詳細な説明 ①補助金額 ②補助率 ③補助対象経費 ④補助対象者 ⑤申請期限 ⑥申請要件

①補助金額(要望額上限)については、1団体あたり上限500万円という枠があるため、やりたいことを詰め込みすぎるより、成果が出る設計に絞り込む方が採択後の運営が安定します。 また、採択額(委託経費額)は要望額と一致しない場合があるため、会場・指導者・募集広報など“絶対に外せないコア”を先に固め、優先順位を付けて計画を作るのが実務的です。

②補助率に代わる実務上のポイントは「契約期間内の支出であること」と「証憑が整っていること」です。採択後、実施計画書を提出し、事務局と委託契約を締結したうえで、契約日から開催期間最終日までに発注または納品され、事業に使用された物品・役務に係る領収書が経費対象となります。採択通知日(契約日)より前に発生した経費は対象外とされています。

③補助対象経費は、先ほど触れたとおり費目ごとに「対象・対象外」「上限」「必要書類」「留意事項」が細かく整理されています。たとえば人件費の既雇用者/臨時雇用者賃金には時間単価の上限が設けられ、勤務時間等が分かる書類の提出が求められます。 諸謝金も指導謝金・協力謝金で上限があり、準備時間の扱いなど注意点があります。 旅費では宿泊費に都道府県別の上限設定があり、上限超過は原則対象外とされる点が資金計画に直結します。 消耗品費は単価5万円未満などの条件があり、飲食費や記念品、転売可能な電化製品等は対象外とされています。 雑役務費では、募集チラシのデザイン・印刷製本、撮影や会場設営などの外注が想定される一方で、電話代や事務局提出書類の印刷製本費などは対象外とされているため、最初の予算設計で線引きを理解しておく必要があります。

④補助対象者(応募団体)については、自治体・実行委員会・一定の運営基盤を持つ団体が対象で、同一団体の複数応募はできず、1団体1件のみという制約があります。 さらに、営利法人(株式会社)や個人は応募不可と明記されていますので、地域の文化団体が関わる場合は、自治体と共同で実行委員会(仮称)を組成するなど、応募主体の設計が重要になります。 これは「三次市 補助金」「庄原市 補助金」「安芸高田市 助成金」を探している団体が見落としやすいポイントで、制度の入口でつまずかないためにも、早い段階で主体と役割分担を固めるのが安全です。

⑤申請期限は令和8年2月5日(木)15時で、到着時刻判定、差替え不可という厳格運用です。 企画提案書類は提出後の変更が認められないため、分野の適格性や実施場所、参加者募集、アンケート設計まで“読み手が迷わない”形に整えることが採択率だけでなく実施のしやすさにも直結します。

⑥申請要件(事業内容面)では、子どもが体験する取組であることが大前提で、鑑賞のみ、試食のみは対象外です。 開催は子どもが参加しやすい時間帯で行い、学校の授業・行事の一環として実施することはできません。 参加者は原則として小学校1年生から中学校3年生で、保護者同伴は可能でも必須ではなく、未就学児や高校生“のみ”を対象とする形は不可とされています。 さらに、事業実施時と終了後(概ね1年後)の追跡調査が求められ、効果測定を前提に設計する必要があります。


具体的な申請手順

まず、事業概要ページと募集案内(PDF)を通読し、応募主体が要件を満たすかを確認します。特に、応募できない主体(営利法人・個人など)に該当しないか、1団体1件の制約に抵触しないかを最初に確定させます。 次に、事業類型を「教室参画事業」と「教室代替事業」のどちらで組むかを決め、地域の実情に合った分野と開催設計を行います。 その際、鑑賞のみ・試食のみが対象外である点や、学校授業時間の利用ができない点を踏まえ、放課後・週末・長期休みに合わせた実施計画を組み立てます。

続いて、企画提案書(所定様式)を作成します。ここでは、事業の目的が「体験の入口づくり」だけで終わらず、継続的な学びや地域の継承へどうつながるかを、参加者募集からフォローアップ(アンケート・追跡調査)まで一連で説明できるようにします。 経費は、募集案内の費目定義に合わせて積算し、対象外経費を混ぜないことが重要です。たとえば消耗品の単価要件や、旅費の対象外(参加者旅費、日当、特別料金など)を踏まえ、最初から“通る形”の内訳にしておくと、採択後の修正負担が減ります。

提出は、募集案内に従い、令和8年2月5日(木)15時までに事務局のメールサーバーへ到着するよう送付します。到着時刻で判定され、提出後の差替え・変更・追加は認められない運用です。 審査を経て、採択・不採択は令和8年5月下旬以降を目途に通知され、採択の場合は採択額(委託経費額)が示されます。 採択後は、実施計画書を提出し、事務局と委託契約を締結してから事業を開始します。実施計画書を出さずに実施することはできないとされています。

資金繰り面では、精算払いが基本で、概算払いを希望できる場合がある一方、概算払いの支払い時期は早くても8月末以降の予定とされ、必ずその時期に支払われるとは限らないため、概算払いが行われるまでの資金準備を求めています。 この点は、文化事業に慣れていない団体ほど見落としやすいので、自治体内の会計手続や実行委員会(仮称)の立替ルールも含め、早めに設計しておくと安心です。


まとめ

令和8年度伝統文化親子教室事業(地域展開型)は、地域の子どもたちに伝統文化等の体験機会を提供し、継承・発展につなげることを狙った委託事業です。募集は令和8年1月6日から2月5日15時までと短期集中で、採択後は委託契約、実施計画、証憑管理、アンケート・追跡調査まで含めた“事業運営力”が求められます。 一方で、上限500万円の枠を活かして、会場・指導者・広報・安全対策を一体で整えれば、三次市・庄原市・安芸高田市のような地域でも、単発イベントではなく「体験→継続」へつながる仕組みを作りやすくなります。

「広島県 補助金」を探している方の中には、産業系の中小企業 支援や事業拡大 補助金を想定している場合も多いと思いますが、地域の文化基盤を整える取組もまた、回り回って地域 活性化 補助金的な意味合いを持ちます。制度の細部は年度や予算状況で変更の可能性があるため、必ず公式サイトと募集案内で最新情報を確認してください。

申請書の組み立て方、応募主体(自治体・実行委員会等)の設計、対象経費の線引き、採択後を見据えた証憑整理や運営体制づくりなど、補助金・委託事業特有の実務で不安があれば、広島県三次市、庄原市、安芸高田市の行政書士に相談しながら進めることもご検討ください。

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