
はじめに
2026年度から、いわゆる「IT導入補助金」は制度名称が「デジタル化・AI導入補助金(中小企業デジタル化・AI導入支援事業)」へと変わり、単なるITツール導入支援にとどまらず、より踏み込んだデジタル化とAI活用を後押しする建付けが明確になりました。公式サイト上でも「旧:IT導入補助金」として案内されており、過年度利用者の方は特に、同じ感覚で進めると要件面でつまずきやすい点に注意が必要です。
広島県三次市周辺でも、紙伝票や手入力、属人化した受発注、会計処理の遅れなどが、慢性的な人手不足と重なって「現場が回らない」状態を招いています。こうした課題に対し、本補助金は「中小企業 支援」の王道メニューとして、比較的取り組みやすいIT投資を後押しします。一方で2026年度は、交付規程上、継続利用者(過年度に交付決定を受けた事業者)への目標強化や、賃上げ要件の算定基準見直しなど、制度の“締まり”が一段上がっています。
概要
①補助金額
通常枠では、導入するITツールがカバーする業務プロセス数に応じて補助額のレンジが分かれており、1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下とされています。
②補助率
補助率は原則として2分の1以内ですが、一定期間において地域別最低賃金水準に関する条件を満たす場合、3分の2以内となる扱いがあります。
③補助対象経費
ソフトウェア購入費やクラウド利用料(最大2年分)に加え、機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ等のオプション、導入コンサルティングや設定、研修、保守サポートといった役務も補助対象に含まれます。
④補助対象者
中小企業・小規模事業者等が対象で、業種ごとの資本金・従業員規模などの区分が交付規程(別紙)に示されています。
⑤申請期限
通常枠の交付申請は2026年3月30日から開始予定で、少なくとも1次締切として2026年5月12日17:00が示されています。募集回は複数回設定され、最新の締切は公式の事業スケジュールで随時更新されます。
⑥申請要件
大枠として、労働生産性の向上計画(原則1年後3%以上、3年間の年平均成長率3%以上)を立てますが、過年度(IT導入補助金2023通常枠等、2024、2025)に交付決定を受けた事業者は、1年後4%以上、年平均4%以上へと目標が引き上げられています。
また、補助額150万円以上で申請する場合は賃上げ要件が加わり、「1人当たり給与支給総額」の年平均成長率を「日本銀行が定める物価安定の目標+1%以上」とすること、事業場内最低賃金を「地域別最低賃金+30円以上」とすること等が求められます。さらに過年度の交付決定事業者は、給与支給総額の基準が「物価安定の目標+1.5%以上」に上がります。
⑦補助金事務局URL
公式サイト(デジタル化・AI導入補助金2026)はこちらです。
https://it-shien.smrj.go.jp/
想定される活用事例
①事業者様が従来から抱えておられる問題点
三次市・庄原市・安芸高田市のように商圏が広く、移動や現場対応が多い地域では、事務作業を「夜にまとめて」行う企業様が少なくありません。結果として、請求漏れ、在庫の過不足、仕入と売上のタイムラグ、紙保管の増大、担当者の不在による処理停滞が起きやすくなります。飲食・小売では発注や棚卸が属人的になり、建設・設備では見積作成や原価管理が現場と事務所で分断されがちです。こうした状態は、人手不足のなかで残業を増やし、賃上げ原資の確保にも響くため、「広島県 補助金」を活用して早めに手を打つ意義が大きくなります。
②補助金による具体的な問題解決イメージ
例えば、クラウド会計と請求管理を連携し、取引入力を自動化すれば、月次の締め作業が短縮され、数字の見える化が進みます。受発注・在庫・POSの連携で二重入力を減らせば、欠品や過剰在庫のムダが抑えられます。さらに、AI機能を有するツールが明確化され、検索時に絞り込みができるようになったため、需要予測や問い合わせ対応の効率化など、AIの力を「業務プロセス」の中に組み込みやすくなっています。地域の中小企業が、限られた人数で「事業拡大 補助金」的に売上機会を取りこぼさない体制を作るうえで、本制度は現実的な選択肢になり得ます。
概要で述べた内容の、詳細な説明
①補助金額
通常枠の補助額区分は、従来からの考え方を維持しつつも、交付規程や公式ページ上で「プロセス(業務プロセス)」の定義がより読み取りやすく整理されています。1プロセス以上なら5万円以上150万円未満、4プロセス以上なら150万円以上450万円以下という枠組みなので、どの業務領域まで一体でデジタル化するかが、補助上限にも直結します。特に150万円以上を狙う場合、後述の賃上げ要件もセットになるため、単に高額ツールを入れるのではなく、投資対効果と人件費計画を同時に設計する必要があります。
②補助率
補助率は原則2分の1以内で、一定条件を満たすと3分の2以内となる点が重要です。地域別最低賃金に近い賃金帯の従業員比率に関する条件が書かれており、該当する企業様は補助率面で有利になる可能性があります。もっとも、要件の確認方法や証憑の考え方は年度の公募要領・手引きで詰められるため、申請直前ではなく、早い段階で賃金台帳等の整備状況を見直すことをおすすめします。
③補助対象経費
補助対象は、ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、導入関連費(オプションや役務)といった“導入一式”にまたがります。現場の実情としては、ソフトを買うだけでは定着しないケースが多く、導入設定や研修、運用設計の支援まで含めて計画するほど、効果報告での説明も組み立てやすくなります。なお、交付規程上、交付申請は「補助事業に着手する前」に行う建付けであり、一般に交付決定前の発注・契約等はリスクになり得るため、手順を崩さないことが安全です。
④補助対象者
対象は中小企業・小規模事業者等で、業種ごとに資本金や従業員数の上限が定められています。たとえば旅館業、ソフトウェア業、各種法人(医療法人、社会福祉法人、学校法人等)も一定の範囲で含まれる整理があり、地域の事業者様が幅広く検討できます。三次市 補助金、庄原市 補助金、安芸高田市 助成金という観点でも、自治体単独の制度と違い「全国共通の枠」であることから、該当可能性を早めに公式区分で確認するのが近道です。
⑤申請期限
2026年度は、申請受付開始が2026年3月30日からと案内され、通常枠の1次締切が2026年5月12日17:00、交付決定は2026年6月18日予定、事業実施・実績報告期限は2026年12月25日予定とされています。締切時間を過ぎると受け付けない旨も注意喚起されているため、GビズID取得やSECURITY ACTIONなど、事前準備に日数がかかる工程を逆算して動くことが大切です。
⑥申請要件
今回の「変更点」を交付規程から整理すると、要点は大きく四つです。第一に、名称と根拠規定が変わり、2025年度の「サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金」から、2026年度は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」へ移行し、参照する交付要綱の名称も異なっています。
第二に、労働生産性向上目標が強化され、過年度に交付決定を受けた事業者は、1年後4%以上、3年間の年平均4%以上へ上がります。継続利用者ほど「効果」を明確に説明し、実行・報告まで求められる設計です。
第三に、150万円以上の申請では賃上げ要件の算定基準が見直され、「物価安定の目標(日本銀行が2%と説明しています)に一定幅を上乗せした水準」を基準として給与支給総額の成長率を計画する必要が出ました。さらに継続利用者は上乗せ幅が大きくなります。
第四に、プロセス分類は補助額区分の前提として引き続き重要であり、「総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス・統合業務」など、業務の切り方がより具体的に示されています。どのプロセスに効く投資なのかを、申請書上で説明できるかがポイントになります。
加えて、要件未達や効果報告未提出の場合に返還となり得る注意喚起もあり、採択後こそ“運用と報告”までを見据えた体制が必要です。
具体的な申請手順
実務の流れは、まず公式サイトや公募要領で自社が狙う申請枠と要件を理解し、導入したいITツールが「登録されたITツール」であることを確認するところから始まります。次に、交付申請の前提としてGビズIDプライムの取得が必要で、発行まで概ね2週間とされていますので、締切から逆算して早めに動きます。同時に、IPAのSECURITY ACTIONで一つ星または二つ星を宣言し、申請時に必要となる宣言済アカウントIDを準備します。
そのうえで、登録されたIT導入支援事業者と商談を進め、導入するITツール、対象経費、プロセス、そして労働生産性や賃上げの計画値を、無理のない形で組み立てます。特に150万円以上や継続利用者の場合、給与支給総額や事業場内最低賃金の計画が要件になるため、社会保険労務士等の専門家と連携して数字の整合性を取ることが現実的です。
申請は、IT導入支援事業者から申請マイページの招待を受けて基本情報を入力し、必要書類の添付を行い、支援事業者側でITツール情報や事業計画値を入力し、最終確認と宣誓のうえ提出する流れが示されています。審査が完了し交付決定通知を受けた後に、補助事業を開始できると案内されていますので、時系列を守って導入・支払い・実績報告へ進めます。
最後に、実績報告だけで終わりではなく、効果報告を含む「後工程」までが制度の一部です。要件未達や報告未提出が返還につながり得る点は、交付規程や公式の注意喚起のとおりですので、申請段階から“運用して成果を出し、報告できる体制”を社内で確保しておくことが、結果として採択後のリスクを下げます。
まとめ
デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)は、広島県内の中小企業にとって、バックオフィスから現場までの業務を一気に底上げし、賃上げや人手不足に対応するための「地域 活性化 補助金」としても活用しやすい制度です。2026年度の交付規程を読む限り、名称変更に加えて、継続利用者の生産性目標が1年後4%・年平均4%へと強化され、150万円以上の申請では「物価安定の目標+一定幅」を使った賃上げ要件へ移行するなど、数字面の厳格さが増しています。
一方で、プロセス分類が明確になったことで、何をどう改善する投資なのかを言語化しやすくなり、AI機能を持つツールも探しやすくなりました。だからこそ、三次市 補助金としての活用を検討する際は、導入したいツール選びと同じくらい、目標値の置き方、賃上げ計画の整合性、採択後の報告までを含めた運用設計が重要になります。最終判断は必ず公募要領・手引き等の公的機関サイトで最新情報を確認しつつ、申請書作成や要件整理に不安がある場合は、広島県三次市・庄原市・安芸高田市の行政書士へ相談しながら進めることも有効です。

