はじめに
広島県三次市や庄原市、安芸高田市で事業をされている中小企業・個人事業主の方から、「後継者がいない」「同業と統合して生産性を上げたい」「第三者承継(M&A)を検討したいが、専門家費用が重い」といったご相談をいただくことが増えています。事業承継やM&Aは、地域の雇用や取引先の維持に直結する一方で、仲介・FA(ファイナンシャルアドバイザー)、デュー・ディリジェンス(DD)、契約書作成、表明保証保険など、専門性が高い手続きと費用負担が壁になりがちです。
そこで今回は、中小企業庁の「中小企業生産性革命推進事業 事業承継・M&A補助金『専門家活用枠【買い手支援類型(Ⅰ型)・売り手支援類型(Ⅱ型)】』(14次公募)」を、初めての方にも分かるように整理して解説します。全国対象の制度ですが、地域経済を支える企業ほど相性が良い内容ですので、「広島県 補助金」「三次市 補助金」「庄原市 補助金」「安芸高田市 助成金」「中小企業 支援」「事業拡大 補助金」「地域 活性化 補助金」といった観点でも、活用のヒントになれば幸いです。制度は公募要領で細かな条件が定められていますので、最終的には必ず公的機関サイトで確認してください。 (中小企業庁)
概要 ①補助金額 ②補助率 ③補助対象経費 ④補助対象者 ⑤申請期限 ⑥申請要件 ⑦補助金事務局URL
①補助金額
専門家活用枠(買い手支援類型・売り手支援類型)は、基本の補助上限が600万円で、DD(デュー・ディリジェンス)費用の上乗せが200万円、さらに廃業費を併用申請する場合は300万円が上限として追加されます。したがって、条件により最大1,100万円まで到達し得る設計です。
②補助率
買い手支援類型(Ⅰ型)は補助対象経費の2/3以内です。売り手支援類型(Ⅱ型)は原則1/2以内ですが、要件に該当する場合は2/3以内になります(たとえば、物価高等の影響による営業利益率低下や直近決算で赤字など、要件が公募要領に定義されています)。
③補助対象経費
謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料、保険料が中心で、併用申請として廃業費(廃業支援費、在庫廃棄費、解体費、原状回復費、リース解約費、土壌汚染調査費、移転・移設費用など)も整理されています。補助対象経費は「補助事業期間内に契約・発注し、支払ったもの」など条件があるため、支出タイミングの管理がとても重要です。
④補助対象者
日本国内に拠点または居住地を置き、日本国内で事業を営む中小企業・個人事業主が対象です。さらに、地域経済への貢献(雇用の維持・創出、地域資源の活用、域内仕入・域外販売など)を求める趣旨が明記されており、地域に根ざす事業者ほど説明が組み立てやすい制度設計です。
⑤申請期限
14次公募の申請受付期間は、2026年2月27日(金)から2026年4月3日(金)17:00までで、締切厳守です。
⑥申請要件
本制度は、事業再編・事業統合に伴うM&A(株式譲渡、事業譲渡、会社分割・合併等を含む)において、専門家を活用する取り組みが対象です。買い手支援類型では、M&A後のシナジーによる生産性向上や地域経済を牽引する見込み、そしてDDの実施が重要要件として示されています。売り手支援類型では、地域の雇用や地域経済を支える事業が第三者により継続される見込みが要点になります。また、補助対象外となる取引(実質的な事業再編・統合が確認できないもの、親族内承継のみ等)も列挙されているため、スキーム選定段階から要注意です。
⑦補助金事務局URL
公募要領や申請手引き等は、事業承継・M&A補助金(令和7年度補正予算)14次公募「専門家活用」ダウンロードページで確認できます。 (事業承継・M&A補助金)
想定される活用事例 ①事業者様が従来から抱えておられる問題点 ②補助金による具体的な問題解決イメージ
①事業者様が従来から抱えておられる問題点
たとえば三次市の製造業「三次市精密加工(仮称)」のように、長年培った加工技術はあるのに、後継者不在で将来の見通しが立ちにくいケースがあります。庄原市の小売・サービス「庄原市くらしサポート(仮称)」では、経営者の高齢化に伴い、顧客や従業員を守るため第三者承継を検討したいものの、仲介・FAの費用や契約交渉の不安がハードルになることが少なくありません。安芸高田市の建設関連「安芸高田市リニューアル工務店(仮称)」では、同業の事業を引き継ぎたい意向があっても、買収前のリスク調査(DD)をどこまで行うべきか、費用負担をどう見込むべきかで意思決定が止まってしまう場面が見られます。
こうした悩みの背景には、M&Aは単なる売買ではなく、事業の実態、財務・税務・法務、人事労務、取引先契約、知的財産などを総合的に確認し、最終契約とクロージング(引渡し・決済)まで進める必要がある、という構造的な難しさがあります。
②補助金による具体的な問題解決イメージ
この補助金の良い点は、M&Aの意思決定と実行に欠かせない「専門家活用」に焦点を当てているところです。買い手側であれば、譲受対象の会社や事業についてDDを行い、簿外債務や契約上の制約などを早期に把握することで、買収後のトラブルを減らし、PMI(統合作業)を見据えた計画づくりにつなげやすくなります。売り手側であれば、適切なFA・仲介を活用しながら条件交渉を進め、従業員や取引先への影響をコントロールしつつ、地域の雇用を維持しながら承継を実現する道筋が描きやすくなります。
結果として、「地域 活性化 補助金」の文脈で言えば、単に一社の存続だけでなく、地域の雇用と取引網を守り、次の投資や「事業拡大 補助金」的な成長投資へつなげる土台づくりとして、使いどころがある制度だといえます。 (中小企業庁)
概要で述べた内容の、詳細な説明 ①補助金額 ②補助率 ③補助対象経費 ④補助対象者 ⑤申請期限 ⑥申請要件
①補助金額
補助上限は、まず基本枠として600万円が設定されています。ここに、買い手側で重要になるDD費用について、上乗せとして200万円以内が認められています。さらに、売り手側の事情として、事業の一部または全部の廃業を伴いながら再編・統合を進める局面では、廃業費の併用申請として300万円以内が設定されています。合計として最大1,100万円を狙える一方で、廃業費は「関連する経営資源の引継ぎが補助事業期間内に実現しなかった場合は補助対象外」といった条件があるため、スケジュール設計と証拠書類の整備が不可欠です。
②補助率
買い手支援類型(Ⅰ型)は2/3以内と明確です。売り手支援類型(Ⅱ型)は、原則1/2以内ですが、要件に該当すると2/3以内になります。ここで重要なのは、「該当するかどうか」が申請書の書き方ではなく、決算書等の客観資料で判断される仕組みだという点です。たとえば、物価高等の影響による営業利益率低下は、比較対象期間や算定方法が公募要領に定義されているため、自己判断で書くのではなく、要件に沿って数値を確認し、必要書類を揃える必要があります。
③補助対象経費
専門家活用枠の中心は、M&Aの実務に直結する費用です。謝金は専門家に対する報酬として整理され、旅費は面談や現地調査等に伴う移動に関する費用が想定されます。外注費・委託費は、FA・仲介、DD、契約書レビュー、セカンドオピニオンなど、外部専門家へ依頼する業務が該当しやすい領域です。システム利用料は、プラットフォーム利用等が想定され、保険料は表明保証保険のように取引リスクをカバーする保険が関係します。さらに廃業費は、在庫廃棄や原状回復など、再編の現場で現実に発生するコストが整理されています。
そして最も大切なのは、補助対象経費が「補助事業期間内に契約・発注し支払った経費」であり、実績報告で証拠書類により確認できることが前提だということです。見積、発注(契約)、納品・検収、請求、支払という流れが崩れると不備になり得るため、早い段階から書類の出し入れと保存方法を設計しておくと安全です。
④補助対象者
補助対象者は中小企業・個人事業主で、日本国内に拠点等があり国内で事業を営むことが前提です。個人事業主については、開業届や青色申告承認申請書の提出から一定年数が経過していること、確定申告関係書類を提出できることなど、提出要件が細かく定められています。法人も設立登記や複数期の決算・申告が完了していることなどが示されています。これらは「申請できるかどうか」を左右するため、M&Aの検討と並行して、まずは自社が要件を満たすか確認するのが近道です。
⑤申請期限
申請受付は2026年2月27日から2026年4月3日17:00までで、締切後の申請は受け付けないと明記されています。実務上は、GビズIDプライムの取得、見積や契約方針の整理、添付書類の準備に時間がかかりやすいので、「最終日直前にまとめる」進め方は避けるのが無難です。
⑥申請要件
申請要件の核は、「事業再編・事業統合に伴うM&A」であること、そして実質的な経営資源の引継ぎが確認できることです。単なる資産の売買に近い取引や、グループ内再編、親族内承継などは、事務局が実質的な再編・統合と認めない場合に対象外となり得ます。買い手支援類型ではDDの実施が強く求められており、売り手支援類型では地域経済を牽引する事業が第三者により継続される見込みが重視されます。さらに、FA・仲介費用を計上する場合には「M&A支援機関登録制度」に登録されたFA・仲介業者であることが求められるなど、相手方(専門家側)の要件も絡みます。
具体的な申請手順
申請は電子申請システムのjGrantsで行い、その利用にはGビズIDプライムが必要です。まずは公募要領と公式サイトの掲載情報を読み込み、自社が「買い手支援類型(Ⅰ型)」「売り手支援類型(Ⅱ型)」のどちらで申請するのが適切か、M&Aの形態とスケジュール感を整理します。次に、補助対象経費として計上したい専門家業務を具体化し、見積取得や契約方針を固めます。この段階で、FA・仲介費用を入れる場合は、M&A支援機関登録制度の登録状況を確認し、登録先での依頼になっているかを必ず点検します。
そのうえで、jGrants上の申請フォームに必要事項を入力し、履歴事項全部証明書や決算書、個人事業主であれば確定申告書類など、類型・属性に応じた添付書類をPDFで提出します。ファイル添付時にパスワードを設定しないこと、提出後に差し戻しがあれば速やかに再提出対応することも、公募要領で注意点として示されています。最後に、採択後は交付申請、事業実施、実績報告、精算という流れになり、補助金は原則として事業完了後の精算払いである点も資金繰り上の重要事項です。
まとめ
事業承継・M&A補助金「専門家活用枠」(14次公募)は、買い手・売り手いずれの立場でも、M&Aに不可欠な専門家費用を支援し、地域の雇用維持や生産性向上につなげることを狙った制度です。補助上限は基本600万円にDD上乗せ200万円、廃業費併用300万円があり、条件により最大1,100万円まで見込めます。一方で、申請はjGrants、締切厳守、対象外取引の考え方、証拠書類による実績確認など、難易度は高めです。特に「補助対象経費の支出タイミング」「DDの位置づけ」「登録FA・仲介の要件」「M&Aが実質的な事業再編・統合になっているか」といった点は、早期に整理すると採択後のトラブル予防にもなります。
広島県三次市、庄原市、安芸高田市のように地域経済を支える事業者にとって、第三者承継は「廃業回避」だけでなく、次の成長投資へつなげる中小企業支援策にもなり得ます。制度の詳細や最新情報は必ず公式サイト・公募要領で確認したうえで、申請書の作り込みや添付書類の整理、スケジュール設計に不安がある場合は、広島県三次市、庄原市、安芸高田市の行政書士へ相談して、補助金申請を一緒に進めることも検討してみてください。 (事業承継・M&A補助金)

