
広島県内では、製造業や介護、農業、観光など幅広い現場で外国人の方が生活し、働き、学んでいます。ところが、生活ルールや行政手続、災害時の情報、医療や子育てのことなど、必要な情報にたどり着けないまま孤立してしまうケースも少なくありません。こうした課題に対して「在住外国人コミュニティ」の活動を後押しするのが、広島県が実施する「在住外国人コミュニティ活動支援補助金」です。広島県内全域が対象となるため、三次市や庄原市、安芸高田市で活動するコミュニティの方にとっても、地域のネットワークづくりを一歩進める大切な選択肢になり得ます。
概要
①補助金額
補助の上限は、1事業あたり50万円です。活動規模を大きくしすぎず、まずは「やってみる」ための費用を確保しやすい設計になっています。
②補助率
補助率は、補助対象となる経費の10/10です。つまり、制度上は対象経費の範囲内であれば自己負担を抑えやすい点が特徴です。ただし、最終的な補助額は知事が定める額で、上限は50万円となります。
③補助対象経費
対象となるのは、例えば講師などへの謝金にあたる報償費、講師や参加者等の旅費、資料作成の印刷製本費、イベント運営に必要な消耗品費、飲み物や菓子等に限った食糧費、郵送料などの通信運搬費、広報のための広告料、会場や機材の使用料・賃借料、専門家等への委託料、そして知事が必要と認めるその他の経費です。領収書がないなど使途が不明な経費は対象外になる点も重要です。
④補助対象者
対象は「県内の在住外国人コミュニティ」です。ここでいう在住外国人コミュニティとは、住民基本台帳に記載されていて、広島県内に居住・通勤・通学する外国人が、出身国・地域や居住地域などを基に日常生活の中で集う、一定の規模を有し、県内に団体所在地を持つ集団と整理されています。加えて、営利目的ではないこと、特定の政治活動を行わないこと、特定の公職者や政党の支持・反対等を目的としないこと、公序良俗に反する活動をしないこと、といった要件を満たす必要があります。
⑤申請期限
申請は随時受付です。ただし、申請額が予算上限に達した時点で受付が締め切られるため、「いつでも出せる」と思って準備を後回しにすると機会を逃す可能性があります。申請を希望する場合は、まず広島県国際課へ問い合わせるよう案内されています。
⑥申請要件
補助対象となる事業は、令和7(2025)年4月1日以降に新たに着手する事業で、在住外国人が生活に必要な情報を入手しやすくすること、外国人や地域のネットワーク構築に資することが求められます。内容としては、生活情報の提供、日本や広島県の文化・慣習・ルール等の学習・体験、地域社会への参画につながる取り組み、出身国・地域の文化やスポーツを生かして地域の日本人も参加できる交流、そして活動地域以外の在住外国人も参加してネットワーク拡大が見込める広域的な取り組みが例示されています。一方で、営利目的、宗教の布教、資金の供与や貸与を目的とするもの、効果が特定の個人や少数者にしか及ばないもの、県の他の補助金等を受けているもの、既存事業の財源組替えや参加者負担の軽減が主目的のものなどは対象外です。また「新規事業」が原則で、毎年同じ内容で実施している事業は対象外とされ、ただし参加対象範囲を広げる等の場合は対象となる可能性があるため国際課への相談が推奨されています。
⑦補助金事務局URL
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/38/community-subsidy02.html
想定される活用事例
①事業者様が従来から抱えておられる問題点
この補助金は企業向けの「事業拡大 補助金」とは性格が異なり、在住外国人コミュニティの活動支援が中心です。それでも、地域の雇用や暮らしを支えるという意味では「中小企業 支援」とも間接的に関係してきます。例えば三次市や庄原市の事業者様が外国人材を受け入れている場合、地域で生活情報が不足していると、本人が手続や医療、交通、防災情報に不安を抱えやすく、結果として職場定着にも影響が出かねません。また、安芸高田市周辺でも、生活ルールやごみ出し、学校・保育、自治会との関わり方など、地域ごとに細かな違いがあるため、個人任せでは情報格差が生まれやすいのが実情です。
さらに、情報が「日本語のみ」「紙のみ」「平日昼間のみ」で提供されると、必要な人ほどアクセスしづらくなります。地域側も、外国人住民と接点が少ないまま誤解が積み重なり、「困っているのに声が上がらない」「相談窓口に来ない」という状態になりがちです。こうした状況は、地域の担い手不足が進む中で、広島県内の地域づくりにとっても大きな損失です。まさに「地域 活性化 補助金」という観点で、生活の基盤整備と交流の機会を増やすことが求められています。
②補助金による具体的な問題解決イメージ
例えば「三次国際つながりサークル(仮称)」が、外国人住民向けに多言語で生活情報をまとめた案内資料を作成し、病院の受診方法や災害時の避難行動、行政手続の入り口を分かりやすく伝える取り組みを企画するとします。印刷費や翻訳協力者への謝金、会場使用料、広報の広告料などが補助対象になり得ます。
また「庄原多文化スポーツ交流会(仮称)」のように、出身国のスポーツや文化を生かしつつ地域の日本人も参加できる交流イベントを実施し、参加者同士が顔の見える関係になると、日常のちょっとした困りごとを相談しやすくなります。さらに、県内の複数地域から参加者を募ることで、コミュニティの活動地域以外の在住外国人も参加し、ネットワーク拡大が見込める「広域的な事業」としての組み立ても可能になります。こうした仕組みづくりは、三次市 補助金、庄原市 補助金、安芸高田市 助成金といった地域別の制度では拾い切れない「県内横断のつながり」を育てる点で価値があります。
概要で述べた内容の、詳細な説明
①補助金額
上限50万円という金額は、会場を借りて数回の学習会を実施し、資料を整え、広報を行い、必要に応じて専門家に一部委託する、といった「コミュニティ活動として現実的な規模」を想定している印象です。もちろん、50万円を上限に何でもできるわけではなく、対象外経費を混ぜないこと、領収書等で支出根拠を示せることが前提になります。申請段階では収支予算書の整合性が見られるため、やりたいことを詰め込みすぎず、目的に直結する経費に整理していくことが採択に近づくポイントになります。
②補助率
10/10という表現は「対象経費の全額が補助され得る」ことを意味しますが、対象経費の線引きが非常に重要です。例えば食糧費でも、対象となるのは飲み物や菓子等であり、料理や弁当、アルコール飲料等は対象外とされています。旅費も、団体構成員の通常業務に係る旅費や海外渡航費・滞在費等は対象外です。補助率が高い制度ほど、経費区分の判断ミスがそのまま不交付や返還リスクにつながるため、「10/10だから安心」ではなく「対象にできる形で設計できているか」を丁寧に確認することが大切です。
③補助対象経費
対象経費は幅広く見えますが、コミュニティ活動の実態に即して「必要最小限の事業費」を支える構成です。講師等への謝金や旅費、資料の印刷、会場や機材のレンタル、郵送料、インターネット広告、専門家への業務委託などが想定されており、活動を「実施できる状態」に整える費用が中心になります。一方で、スタッフ人件費や光熱水費、家賃、定期刊行物発行に要する経費など、団体の運営そのものにかかる経費は対象外です。また補助金や負担金も対象外とされているため、他団体へ資金を回す形の設計は避け、あくまで自ら実施する活動のための直接経費として組み立てる必要があります。
④補助対象者
「在住外国人コミュニティ」として申請する場合、団体の所在地が広島県内にあることや、一定の規模を有する集団であることが前提として示されています。加えて、政治や宗教に関する条件、営利性の排除、公序良俗の観点が明確に置かれているため、日頃の活動内容や発信の仕方も含めて、制度趣旨に沿っていることを説明できるようにしておく必要があります。団体調書の提出が求められているので、規約や定款、役員名簿等の整備が追いついていない場合は、申請準備の早い段階で整えておくとスムーズです。
⑤申請期限
随時受付である一方、予算上限に達した時点で締め切られるため、「思い立ったら早めに相談し、早めに提出する」ことが実務上の鉄則です。特に、年度後半に企画が固まるタイプのイベントは、募集枠が埋まってしまうと申請自体ができません。県の案内では、申請希望者はまず国際課に問い合わせるよう促されていますので、企画の骨子ができた段階で早めに連絡し、対象性や経費区分の疑問点を解消しながら仕上げるのが安全です。
⑥申請要件
この補助金の要件で特に注意したいのは、「新たに着手する事業」である点です。毎年同じ内容で実施している活動は原則対象外とされ、今までの活動との変更点がない事業は対象にならない旨が示されています。ただし、参加対象範囲を広げるなど、実質的に新規性や波及性が認められる場合は対象となる可能性があるため、ここは独断で判断せず国際課へ相談しながら組み立てるのが確実です。さらに、効果が特定の個人や少数者にしか及ばないものが対象外に含まれているため、企画段階から「誰に、どのように参加してもらい、ネットワークをどう広げるか」を説明できる形にしておくことが重要になります。
具体的な申請手順
申請の流れは、まず広島県国際課へ問い合わせ、事業が補助趣旨に合うか、経費区分で迷う点がないかを確認するところから始めるのが現実的です。公式案内でも、申請希望者は国際課への事前相談が促されています。
次に、提出書類を準備します。申請要項では、補助金交付申請書、事業計画書および別紙、収支予算書、団体調書が必須とされ、加えて団体の規約や定款の写し、役員名簿等の「団体の概要が分かる書類」の提出が求められています。事業内容確認のため追加資料を求められる場合がある点も押さえておきましょう。
提出は、メールまたは郵送・持参で行います。メール提出の場合は、指定のメールアドレスへ送り、メールの題名や本文記載事項にも指定があります。郵送・持参の場合は、広島県庁の担当課宛てに提出します。受付は随時で、交付決定も随時行われ、書類審査に加えて必要に応じてヒアリングが実施されることがあります。
交付決定後は、計画に沿って事業を実施し、支出の根拠となる領収書等を確実に保管します。領収書がないなど使途が不明な経費は補助対象にならないため、会計処理は最初から「実績報告まで見据えた運用」にしておくことが大切です。
事業が完了したら、実績報告書や収支精算書、領収書等、活動内容が分かる写真やチラシなどの資料を提出します。提出期限は「活動が完了した日から30日以内」または「令和8(2026)年4月20日」のいずれか早い日までとされ、期限に遅れると交付決定が取り消される可能性が示されています。
その後、審査を経て補助金額が確定し、確定額に基づいて精算払で支払われます。必要に応じて、事業完了前に概算払を受けられる仕組みも用意されていますので、資金繰りの事情がある場合は早めに要件や必要書類を確認するとよいでしょう。
まとめ
在住外国人コミュニティ活動支援補助金は、広島県内で暮らす外国人の方が孤立せず、安心して生活し、必要な情報にアクセスできる環境を整えるための「広島県 補助金」です。補助率10/10、上限50万円、随時受付という使いやすさがある一方で、「新規事業」であることや、対象外経費の線引き、実績報告期限の管理など、押さえるべき実務ポイントもはっきりしています。
三次市 補助金、庄原市 補助金、安芸高田市 助成金といった地域の制度を検討している方も、県制度ならではの広域ネットワークづくりという強みを生かせる場面があります。地域の交流が深まれば、外国人住民の生活基盤が整うだけでなく、地域側の理解や受け入れ体制も育ち、結果として地域の担い手確保や定着にもつながります。まさに「地域 活性化 補助金」としての意義が大きい制度です。なお、制度内容や運用は年度途中での変更や更新があり得るため、最終的には必ず広島県の公式案内で確認してください。
そして、申請書の作り込みや要件整理、経費の組み立て、実績報告までを見据えた運用に不安がある場合は、広島県三次市、庄原市、安芸高田市の行政書士に相談し、専門家のサポートを受けながら進めることも有効です。

