はじめに
広島県三次市を中心に地域の事業者様・団体様の申請支援に携わっていると、「制度や公的支援が整ってきたのは分かるが、現場の人材や受け皿が追いつかない」「家族の負担軽減まで手が回らない」といった声をよく耳にします。とりわけ医療的ケア児、難病児、重度障がい児(若者を含む)とそのご家族を支える活動は、必要性が高い一方で、専門人材の確保や設備・備品、継続運営の資金面が課題になりがちです。
今回ご紹介する「前田和子基金 重症児等とその家族に対する支援活動応援助成<第5回>」は、こうした活動を資金面から後押しする全国対象の助成です。赤い羽根(中央共同募金会)が実施し、上限300万円と比較的大きな規模で、居場所づくりやレスパイト、社会体験の機会提供など幅広い取り組みが対象になります。公募の要点を押さえ、事業計画と経費設計を丁寧に組み立てることで、採択可能性と事業の実効性を同時に高められます。 (赤い羽根共同募金)
概要 ①補助金額 ②補助率 ③補助対象経費 ④補助対象者 ⑤申請期限 ⑥申請要件 ⑦補助金事務局URL
概要として、まず①補助金額は、1団体あたり上限300万円です。あわせて、助成総額は6,000万円が予定されています。 (赤い羽根共同募金)
次に②補助率について、本助成は一般的な「補助率○分の○」という表現よりも、「助成対象として認められた経費を、上限の範囲で助成する」という性格が強い制度です。助成決定後に原則として助成決定額の3分の2が先に送金され、事業完了後の完了報告・精算を経て最終送金(または返還)が行われる仕組みで、実績に基づく精算が前提になります。
③補助対象経費は、重症児等とその家族を支援する活動に必要な経費が対象で、活動にかかる人件費、賃借料、備品購入費なども含まれます。人件費を計上する場合は雇用契約を原則とし、精算時には規程、日報、証憑などの提出が求められる点が重要です。また、ボランティアについては実費弁償(交通費は実費精算)に限定され、ボランティアの人件費・謝金は対象外とされています。 (赤い羽根共同募金)
④補助対象者は、非営利の活動(事業)展開を目的とする団体で、法人格の有無は問いません。一方で、団体として1年以上の活動実績があり、助成対象活動の実施体制が整っていることが要件です。特定の宗教や政治思想の普及を目的とする団体、反社会的勢力等は対象外です。 (赤い羽根共同募金)
⑤申請期限は、2026年3月10日(火)23時59分必着で、オンライン申請のみです。郵送応募は受け付けられません。 (赤い羽根共同募金)
⑥申請要件としては、上記の団体要件に加え、助成対象活動(居場所・遊び場・学習の場の開設運営、孤立防止、学習環境向上や社会体験機会の提供、レスパイト、ピアサポート等)が制度趣旨に合致していることが前提になります。助成対象期間は2026年4月から2027年3月です。 (赤い羽根共同募金)
⑦補助金事務局URLは、中央共同募金会(赤い羽根共同募金)の公募ページです。 (赤い羽根共同募金)
想定される活用事例 ①事業者様が従来から抱えておられる問題点 ②補助金による具体的な問題解決イメージ
①事業者様が従来から抱えておられる問題点として、まず多いのが「人が足りない」という課題です。医療的ケアに対応できるスタッフや、重度障がい児支援の知見を持つ人材は全国的に限られ、三次市 補助金など地域の中小企業 支援とは別文脈で、福祉分野は採用・育成のコストが重くなりがちです。また、通所や宿泊を含む居場所づくり、学習・遊びの場の運営には、拠点の使用料や設備備品、保険、研修など固定費が継続的に発生します。さらに、家族の介護負担軽減やレスパイトを目的とした活動は、利用者の急な体調変化に備えた体制整備が欠かせず、単年度の自己資金だけでは踏み出しにくいという事情があります。こうした背景は、制度面の環境整備が進む一方で専門人材や支援サービスが十分ではない、という公募趣旨にも沿っています。 (赤い羽根共同募金)
②補助金による具体的な問題解決イメージとしては、例えば「備品と人件費を組み合わせ、支援の質を落とさずに実施回数を増やす」設計が現実的です。たとえば、広島県内で重症児等の余暇支援を行う「備北キッズケアネット(仮称)」が、吸引器や衛生用品の保管・運用体制を整えるための備品購入と、看護師・支援員の雇用(または雇用契約に基づく人件費)を同時に計上し、社会体験プログラムの回数を増やす、といった組み立てが考えられます。あるいは「家族の孤立防止」を目的に、オンラインと対面の交流機会を設け、会場の賃借料や講師謝金、移動旅費などを助成対象経費で設計し、継続可能な運営モデルを作ることもできます。重要なのは、地域 活性化 補助金のように設備投資中心で組み立てるのではなく、「支援対象者のニーズに確実に届く活動」であることを、実施体制と成果指標まで含めて説明できる形にすることです。審査では、目的の合致、実施体制、ニーズ把握、費用積算、助成終了後の継続計画などが見られます。
概要で述べた内容の、詳細な説明 ①補助金額 ②補助率 ③補助対象経費 ④補助対象者 ⑤申請期限 ⑥申請要件
①補助金額について、上限300万円は福祉系助成の中でも比較的大きく、拠点運営や複合的な支援メニューの構築に活用しやすい水準です。ただし、助成総額6,000万円の枠内で審査採択されるため、単に「必要だから」ではなく、対象者に届く設計と費用妥当性を示すことが重要です。また、審査の結果、応募額から減額して助成額が決定される場合があるため、必須経費と拡充経費を整理して、減額されても事業が成立する組み方にしておくと実務上のリスクが下がります。 (赤い羽根共同募金)
②補助率については、前述のとおり「定率補助」ではなく、助成対象として認められた経費を上限内で助成し、実績で精算する枠組みです。助成決定後に原則として助成決定額の3分の2が送金され、完了報告書の確認後に最終精算が行われます。証憑が整わず対象経費として認められる費用が助成決定額に満たない場合、最終送金の減額や返還が求められる可能性があるため、会計処理と証憑管理を事前に設計しておくことが採択後の成否を左右します。
③補助対象経費は、支援活動に必要な経費として人件費、賃借料、備品購入費等が含まれますが、運用上の注意点が多い項目です。人件費を計上するなら雇用契約を原則とし、精算時に算定基準を示す団体規程、日報、支出証憑が求められます。ボランティアの扱いは特に誤解が起きやすく、交通費などの実費弁償は対象になり得る一方、ボランティアの人件費・謝金は対象外です。さらに、応募時に計上した費目以外の支出は認められないとされているため、応募段階で必要費目を漏れなく検討し、活動との関連性を文章で説明することが実務上のコツになります。 (赤い羽根共同募金)
④補助対象者は、非営利目的の団体で法人格不問という点が門戸の広いところです。一般社団法人等も対象になり得ますし、地域の任意団体でも要件を満たせば応募可能です。一方で「1年以上の活動実績」と「実施体制が整っていること」が要件ですから、立ち上げ直後の団体は不利になりがちです。ここは、過去の活動記録、協力先(医療機関、学校、相談支援事業所等)との連携実績、役割分担、緊急時対応、個人情報保護など、ガバナンスを含めた体制説明が重要になります。 (赤い羽根共同募金)
⑤申請期限は2026年3月10日(火)23時59分必着で、オンライン申請のみです。締切時刻はシステム上で自動的に締め切られるため、入力・アップロードの時間も含めて逆算が必要です。はじめて「e応募」を使う場合は団体登録が必要で、不備があると締切当日に対応できない場合があると明記されていますので、少なくとも数日前には登録を済ませたいところです。
⑥申請要件は、対象活動の範囲が広い一方で、審査では「制度趣旨との合致」と「確実に支援が届く設計」が重視されます。審査基準として、目的・内容の合致、実施体制と団体ガバナンス、ニーズ把握、費用の積算、助成期間終了後の継続計画などが示されています。したがって、単年度のイベント型に留めず、事業拡大 補助金の発想で「次年度以降の継続モデル」まで描けると評価されやすくなります。
具体的な申請手順
申請は、中央共同募金会の公募ページから応募要項(PDF)と応募書類をダウンロードして始めます。応募書①と応募書②を入手し、事業目的、活動内容、対象者像、実施体制、期待される成果、そして経費計画を整合する形で入力していきます。応募はオンラインの「e応募」で行い、郵送応募は受け付けられていません。 (赤い羽根共同募金)
「e応募」を初めて利用する団体は、事前に団体登録が必要です。登録の際に、定款・会則・規約等の書類など、指定された書類をアップロードします。登録に不備があると締切当日の対応が難しい場合があるため、応募書の作成と並行して、早い段階で団体登録を済ませるのが安全です。 (赤い羽根共同募金)
応募書類が整ったら、締切である2026年3月10日(火)23時59分までに「e応募」上で応募書類をアップロードし送信します。入力画面は一定時間でタイムアウトすることがあるため、途中保存を使いながら、最終版のPDF化や添付ファイル容量の上限にも注意して提出します。
提出後は審査が行われ、必要に応じてヒアリングが実施される場合があります。助成決定先は2026年5月中旬から下旬頃までに公表され、応募団体には郵送等で通知されます。採択後は、原則として助成決定額の3分の2が送金され、事業完了後1か月以内に完了報告書等を提出して精算、最終送金という流れになります。ここで証憑不足等があると減額や返還の可能性があるため、実施期間中から日報、規程、領収書、契約書等を整理しておくことが不可欠です。
まとめ
前田和子基金「重症児等とその家族に対する支援活動応援助成<第5回>」は、医療的ケア児、難病児、重度障がい児(若者を含む)とその家族を支える活動を、上限300万円という比較的大きな規模で支援する全国対象の助成です。応募締切は2026年3月10日(火)23時59分で、オンラインの「e応募」から提出する方式となっています。 (赤い羽根共同募金)
採択のポイントは、活動が制度趣旨に合致していることを前提に、支援対象者のニーズに確実に届く実施体制を示し、経費の積算根拠と証憑管理まで見据えた計画に落とし込むことです。とくに人件費の扱いや、ボランティア費用の考え方、応募時に計上した費目以外は認められない点など、ルールを踏まえた設計が重要になります。 (赤い羽根共同募金)
広島県 補助金や三次市 補助金、庄原市 補助金、安芸高田市 助成金といった地域の制度とあわせて資金計画を組むことで、単年度で終わらない中小企業 支援・団体支援の形を作ることも可能です。公募内容は必ず公式情報で最終確認していただきつつ、申請書の組み立てや経費の整理、実施体制の見せ方に不安がある場合は、広島県三次市、庄原市、安芸高田市の行政書士に相談し、申請準備を一緒に進める選択肢もご検討ください。

