1. はじめに
広島県の中山間地域に位置する三次市、庄原市、安芸高田市の中小企業の皆様、環境に配慮した事業展開にお悩みではありませんか？ 環境省が実施する「令和6年度先進的な資源循環投資促進事業」は、そんな皆様の課題解決に大きく貢献する可能性を秘めています。本記事では、この補助金制度の概要や申請方法、さらには地域の企業による具体的な活用例を予想しながら、詳しくご紹介していきます。
2. 概要
①補助金額：上限は設定されていません。
②補助率：中小企業等は1/2以内、大企業等は1/3以内です。
③補助対象経費：事業に必要な設備機械装置、建物費が対象となります。
④補助対象者：民間企業、独立行政法人、地方独立行政法人、一般社団法人・一般財団法人及び公益社団法人・公益財団法人、その他環境大臣の承認を得て補助事業者が適当と認める者が対象です。
⑤申請期限：令和6年12月20日（金）から令和7年1月31日（金）正午までとなっています。
⑥申請要件：先進的な資源循環技術・設備に対する実証・設備導入支援を行い、リサイクルやサーマルリカバリーを実施することで、一足飛びに脱炭素が困難な産業（Hard-to-abate産業）に再生素材や燃料・エネルギーの供給を行う事業、またはGX移行に必要な革新的な製品の原材料を供給する資源循環の取組に対して支援を行うことで、国内資源の確保による安定的な生産活動に貢献し、再生材使用という付加価値を脱炭素投資によって市場に供給された製品・サービス（GX製品）に付与することで、製造業の国際的な競争力の確保を行う実証・設備導入事業であることが求められます。
3. 想定される活用事例
ここでは、三次市にある金属加工業「みよし精密工業（仮称）」の事例を想定し、補助金活用のプロセスをご紹介します。
①問題点：
みよし精密工業（仮称）は、自動車部品の製造を主力事業としていますが、近年の環境規制の強化や取引先からの要請により、CO2排出量の削減が急務となっていました。また、原材料コストの上昇や廃棄物処理費用の増大も経営を圧迫していました。
②補助金による問題解決：
令和6年度先進的な資源循環投資促進事業を活用し、以下の設備導入を実施することで、問題解決を図りました。
みよし精密工業（仮称）は、金属スクラップの高度選別・リサイクル設備を導入しました。この設備により、これまで廃棄していた金属くずを高純度で回収し、再利用することが可能になりました。また、工場内の熱処理工程で発生する廃熱を回収し、エネルギーとして再利用するシステムも導入しました。
これらの設備導入により、原材料の使用量を20％削減し、エネルギー消費量を15％削減することができました。さらに、廃棄物処理費用も年間約1000万円削減することに成功しました。加えて、再生材を使用した「環境配慮型部品」として製品の付加価値を高め、新たな取引先の開拓にもつながりました。
4. 詳細な説明
①補助金額：
本事業では補助金額の上限は設定されていません。例えば、庄原市の木材加工業「しょうばら木工（仮称）」では、総事業費2億円の設備導入に対して、1億円の補助金を受けることができました。
②補助率：
中小企業等は補助対象経費の1/2以内、大企業等は1/3以内が補助されます。例えば、安芸高田市のプラスチック製品製造業「あきたかたポリマー（仮称）」では、総事業費1億5000万円の設備導入に対して、中小企業として7500万円の補助金を受けることができました。
③補助対象経費：
補助対象となる経費には、事業に必要な設備機械装置、建物費が含まれます。具体的には、リサイクル設備、エネルギー回収システム、高効率製造ライン、分析・測定機器などが対象となります。
④補助対象者：
民間企業、独立行政法人、地方独立行政法人、一般社団法人・一般財団法人及び公益社団法人・公益財団法人、その他環境大臣の承認を得て補助事業者が適当と認める者が対象となります。三次市、庄原市、安芸高田市の中小企業や個人事業主の方々も、この要件を満たせば申請可能です。
⑤申請期限：
令和6年12月20日（金）から令和7年1月31日（金）正午までに申請書類を提出する必要があります。ただし、予算枠に達した時点で締め切られる可能性があるため、早めの申請をおすすめします。
⑥申請要件：
先進的な資源循環技術・設備に対する実証・設備導入支援を行い、リサイクルやサーマルリカバリーを実施することで、Hard-to-abate産業に再生素材や燃料・エネルギーの供給を行う事業、またはGX移行に必要な革新的な製品の原材料を供給する資源循環の取組であることが求められます。例えば、三次市の食品加工業「みよし食品（仮称）」では、食品廃棄物のバイオガス化設備を導入し、発生したガスを工場のエネルギー源として利用する事業が採択されました。
5. 申請手順
- 公募要領の確認：環境省のウェブサイトから公募要領をダウンロードし、詳細な要件を確認します。
- 事業計画の作成：補助事業の目的に合致した事業計画を作成します。CO2削減効果や資源循環の促進効果を具体的に示すことが重要です。
- 必要書類の準備：申請書、事業計画書、収支計画書、CO2削減量計算書などの必要書類を準備します。
- オンライン申請：jGrantsシステムを利用して、オンラインで申請を行います。
- 審査・採択：提出された申請書類をもとに審査が行われ、採択結果が通知されます。
- 交付申請：採択された事業者は、交付申請書を提出し、交付決定を受けます。
6. まとめ
令和6年度先進的な資源循環投資促進事業は、三次市、庄原市、安芸高田市の中小企業にとって、環境配慮型の事業展開を実現する絶好の機会です。この補助金を活用することで、CO2排出量の削減や資源の有効利用だけでなく、コスト削減や新たな事業機会の創出にもつながる可能性があります。
補助金の申請には専門的な知識が必要となる場合もあります。そのような場合は、是非お気軽にお声かけ願います。
環境配慮型の事業展開は、企業の社会的責任を果たすだけでなく、長期的な競争力強化にもつながる重要な投資です。この機会に、ぜひ令和6年度先進的な資源循環投資促進事業の活用を検討してみてはいかがでしょうか。三次市、庄原市、安芸高田市の中小企業の皆様が、この補助金を活用して環境に配慮した事業展開を進め、地域経済の活性化と持続可能な社会の実現に貢献されることを願っています。
