今回は、建設業に携わる皆様にとって重要な「建設キャリアアップシステム(CCUS)」について、詳しくご説明させていただきます。
CCUSって何?なぜ必要なの?
- 「建設キャリアアップシステムって聞いたことはあるけど、よくわからない…」
- 「うちの会社も登録しないといけないの?」
- 「手続きが複雑そうで、どこから手をつけていいかわからない…」
このような声をよく耳にします。特に広島県三次市、庄原市、安芸高田市のような地方都市では、CCUSの導入に戸惑っている事業者様も多いのではないでしょうか。
CCUSとは
建設キャリアアップシステム(CCUS)は、技能者の資格、社会保険加入状況、現場の就業履歴等を業界横断的に登録・蓄積する仕組みです。建設業界全体で技能者の処遇改善や現場管理の効率化、建設市場の価格の適正化等を図ることを目的としています。
なぜCCUSが必要なのか
- 技能者の処遇改善
技能と経験に応じた処遇を実現し、若年層の入職促進につながります。 - 現場管理の効率化
技能者の資格や社会保険の加入状況の確認が容易になり、現場の入退場管理も効率化できます。 - 書類作成の簡素化
施工体制台帳や作業員名簿の作成が容易になります。 - 建設市場の健全化
技能者の能力評価と経験が可視化されることで、適正な労務費の確保につながります。
CCUSの登録対象者
CCUSの登録対象は以下の通りです。
- 技能労働者(一人親方を含む)
- 元請業者
- 下請業者
※ 建設業許可の有無、法人・個人を問わず登録可能です。
CCUSの登録方法
CCUSへの登録方法は以下の2つです。
- インターネットでの申請
最も一般的な方法です。パソコンとインターネット環境、複合機(プリンタ+スキャナ)が必要です。- 申請に必要なシステム環境(例)
- OS: Windows 10/11, macOS 10.15以降
- ブラウザ: Google Chrome 最新版, Microsoft Edge 最新版, Safari 最新版
- その他: PDF閲覧ソフト, プリンタ, スキャナ
- 申請に必要なシステム環境(例)
- 認定登録機関での申請
各県に指定された事業所に出向いて申請書を持参します。事前予約が必要です。- 申請書の様式はポータルサイトからダウンロードできます。
CCUSの登録手順
CCUSの登録は、大きく分けて以下の2つのステップで行います。
STEP1:事業者登録
まず、会社(または個人事業主)の登録を行います。申請後2〜3週間で払込票が届き、支払い完了後に事業者IDが発行されます。
STEP2:技能者登録
事業者IDが発行されたら、そこで働く技能者の登録を行います。申請が通ると約1ヶ月後にキャリアアップカードが郵送されます。
CCUSの登録に必要な書類と注意点
CCUSの登録には、いくつかの書類が必要になります。主な必要書類は以下の通りです。
- 事業者登録の場合
- 登録申請書
- 建設業許可証の写し(建設業許可がある場合)
- 法人の場合は登記事項証明書、個人の場合は住民票の写し
- 社会保険の加入状況が分かる書類
- 技能者登録の場合
- 登録申請書
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
- 保有する資格証明書の写し
- 社会保険の加入状況が分かる書類
注意点
- 書類の不備が多いため、記入漏れや添付書類の確認を慎重に行いましょう。
- 認定登録機関で申請する場合、「登録申請書専用封筒」に申請書類一式を入れて持参する必要があります。
- インターネット申請の場合、証明書類はスキャンまたはスマートフォンで撮影して添付します。
CCUSのメリット
CCUSに登録することで、事業者と技能者それぞれにメリットがあります。
事業者のメリット
- 人材育成・確保
優秀な技能者を育てて施工能力をアピールできます。 - 就業管理の効率化
技能労働者の就業状況が容易に確認できます。 - 現場管理の効率化
現場の入退場管理が効率化されます。 - 書類作成の簡素化
施工体制台帳、作業員名簿、再下請負通知書の作成作業が効率化されます。
技能者のメリット
- キャリアの見える化
自身の資格や職歴を客観的に証明できます。 - 適正な評価と処遇
働く現場に関わらず、適正な評価と処遇が受けられます。 - モチベーション向上
技能と経験に応じたレベル評価により、キャリアアップの目標が明確になります。
CCUSの利用拡大に向けた動き
CCUSの普及促進のため、以下のような取り組みが進められています。
- 職種別4段階の能力評価基準の導入
- 公共工事における加点評価
- 建設業退職金共済制度(建退共)のCCUS活用本格化
- 社会保険加入確認のCCUS活用原則化
これらの動きにより、今後CCUSの重要性はさらに高まっていくと予想されます。
広島県内の建設業者へのアドバイス
広島県、特に三次市、庄原市、安芸高田市の建設業者の皆様には、以下のようなアドバイスをさせていただきます。
- 早めの対応を
CCUSの重要性は今後さらに高まります。早めに登録を済ませることをおすすめします。 - 専門家に相談を
登録手続きに不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。 - 従業員への説明を
CCUSの意義や利点を従業員にも説明し、理解を得ることが大切です。 - 活用方法を検討
単に登録するだけでなく、CCUSを活用した人材育成や現場管理の効率化を検討しましょう。
具体的な想定例
それでは、広島県内の建設業者がCCUSを導入した具体的な事例をご紹介します。
事例1:三次建設株式会社(仮称)の場合
三次市で土木工事を主に行う三次建設株式会社は、CCUSの導入により以下のような効果を得ました。
- 現場の入退場管理が効率化
- 作業員の労働時間管理が容易になり、集計作業にかかる時間を従来の1/3に削減。
- 技能者の資格情報を一元管理
- 適材適所の人員配置が可能になり、人員配置のミスマッチを20%削減。
- 若手技能者のモチベーションが向上
- 自身のキャリアパスが明確化され、資格取得を目指す社員が前年比15%増加。
事例2:庄原工業有限会社(仮称)の場合
庄原市で建築工事を行う庄原工業有限会社では、CCUSの導入により以下のような効果を得ました。
- 施工体制台帳の作成時間が大幅に短縮
- システムで自動作成できるようになり、作成時間を50%削減。
- 技能者の適正評価と給与体系の見直し
- 経験や資格に応じた等級制度を導入し、給与体系を改定。
- 公共工事の入札における加点評価
- 受注機会が前年比10%増加。
事例3:安芸高田建設工業株式会社(仮称)の場合
安芸高田市で総合建設業を営む安芸高田建設工業株式会社では、次のような成果がありました。
- 社会保険加入状況の確認が容易に
- CCUS上で把握できるようになり、未加入者への対応が迅速に。
- 技能者のキャリアパスが明確化
- 長期的な人材育成計画の策定が可能になり、人材育成を効率化。
- 現場管理の効率化により工期短縮と品質向上
- 入退場管理や作業員の情報共有がスムーズに行え、工期を5%短縮。
まとめ:CCUSの導入で建設業の未来を拓く
建設キャリアアップシステム(CCUS)は、建設業界全体の発展と技能者の処遇改善を目指す重要なシステムです。導入には一定の手間とコストがかかりますが、長期的には大きなメリットをもたらします。
特に広島県三次市、庄原市、安芸高田市のような地方都市の建設業者にとっては、CCUSの導入が競争力強化と人材確保の鍵となる可能性があります。
ただし、CCUSの登録手続きや活用方法に不安を感じる方も多いでしょう。そんなときは、専門家である行政書士にご相談ください。私たちが皆様のCCUS導入をサポートいたします。
お問い合わせ先
困ったときは専門家へ相談を。まずはお気軽にご連絡ください。
行政書士高杉将寿事務所
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