障がいのある方を支える現場に、最大100万円。福祉用具ひとつ、取り組みひとつ、に使えます。「役所の推薦がなくても、直接どうぞ」。その一言から始まった、福祉のお金です。

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この7月から、ひとつのルールが変わりました。
会社が障がいのある方を雇う、その割合の話です。
それを「法定雇用率」といいます。

これが、2.5%から2.7%に引き上げられました。
令和8年7月1日からの、国のルールです。

社会は、「誰も取り残さない」方へ動いています。
とても、ありがたいことだと思います。

でも、紙のルールが変わっても。
現場の毎日が、すぐに変わるわけではありません。

就労を支える現場、暮らしを支える現場。
そこで足りないのは、じつは大きなお金ではありません。
たった一つの福祉用具。たった一つの工夫。
その「あと一歩」が、足りないと聞きます。

しかも、いまは物価高が続いています。
その「あと一歩」の道具さえ、買いにくい。
そんな現場に、最大100万円を直接とどける助成があります。

しかも、現在募集中で、
始まったのは、先週の7月1日です。

じつはきのう、同じ財団の別の助成を、ご紹介しました。
「地域を守る活動」への助成のお話でした。
今日は、そのお話の続きになります。
同じ財団の今日は、「福祉」への助成を書いてみますね。

100万円を出すのは、はじまりから「福祉」だった財団です

まず、このお金の出どころから、お話しします。
出しているのは、国でも、県でもありません。

昨日ご紹介させていただいた先と同じ、
公益財団法人 前川報恩会という、民間の財団です。

産業用の冷凍機で知られる、前川製作所(マエカワ)。
その創立者が、私財を投じて作った財団です。

作られたのは、昭和42年。もう60年ちかく前のことです。
創立者の名は、前川喜作さんといいます。

この財団は、じつは、はじまりから福祉の財団でした。
設立のときの趣意書に、こう書かれています。

「世の一隅を照らし、現下の日本に、一点の光明を。」

そして、その助成の大きな柱として。
身体の障がいに関わる医学の研究などを支える、と明記されています。
福祉は、後づけではなかったんです。

この財団の、いちばん最初からの願いでした。

私が、いちばん胸をうたれた言葉があります。
創立者が書き残した、こんなやりとりです。

「役所から推薦がない福祉施設は、
 援助をしていただけないのですか。」

――いえいえ。報恩会に直接申し込んでいただければ、

 私ども独自の調査で、本当にお気の毒な立場の方には、
 どんどん、援助させていただきます。

役所の推薦がなくても、うちに直接どうぞ。

この一言に、この財団のすべてが、つまっています。

国の支えは、どこかで線を引きます。
この基準に合う人、合わない人、と。

でも、その線からこぼれる人が、福祉の現場にはいます。
この財団は、まさに、そこを支えようとするんです。

創立者は、こんな言葉も、残しています。

「こういう仕事は、もともと能率の悪いもの。
会社の仕事のように、早急な効果を求めてはいけない。」

福祉の仕事は、すぐには結果が出ません。
その人の「できた」が、少しずつ増えていくものです。

その「能率の悪さ」を、はじめから分かっている。
だからこのお金は、あたたかいんです。

どんなことに、使えるの? ― 福祉用具ひとつ、プログラムひとつ

では、このお金は、どんなことに使えるのでしょう。

大きく、ふたつのタイプがあります。


タイプ① 障がいのある方を支える「物品」

・ 暮らしや、はたらくことを助ける、福祉用具

・ その人に合わせて、工夫をこらした道具や器具

タイプ② 障がい者福祉を、よくする「取り組み」

・ A 利用者さんへのプログラムを広げる(機能訓練の充実など)

・ B 地域とつながる取り組み(サロンづくり、障がいを知ってもらう活動など)

・ C 福祉をよくするための、調査・研究

たとえば、こんな場面が、思いうかびます。

手が不自由な方のために、使いやすい道具をそろえる。
作業所に、新しい機能訓練の器具を入れる。
施設を地域に開いて、小さなサロンをひらく。

そんな取り組みが、ぴたりと当てはまります。

また、応募の資格が、タイプによって違うんです。

タイプ①(物品)を申し込むとき

NPO法人や社会福祉法人など、法人格のある非営利の団体


タイプ②(取り組み)を申し込むとき

非営利の団体であればよく、法人格がなくても大丈夫
(NPO法人や社会福祉法人などの職員さんが、活動に加わっていることが条件)

取り組みのほうは、法人格がなくても申し込めます。

これは、地域の小さな団体には、大きな門です。

「うちは、まだ法人じゃないから」。
そうあきらめていた団体にも、道があるんです。

いくら・いつまで・どうやって申し込むの?

気になる、お金と締切の話です。

助成の総額  1,200万円

1件あたり  最大100万円

申請の期間  2026年7月1日 〜 8月31日(月)17時

申請の方法  Web申請のみ(郵送・メールは不可)

助成の総額は、1,200万円です。
じつはきのうご紹介した、地域の助成の3倍にあたります。

それだけ、この財団が福祉に力を入れている、ということです。

1件あたりは、最大100万円まで出ます。
福祉の現場にとっての100万円は、決して小さくありません。
必要だった福祉用具も、そろえられます。
あきらめていた器具だって、入れられます。

申し込みには、いくつか書類が要ります。

申請のときに、用意する書類

・ 申請書(PDFにして提出)

・ 2026年度の、事業計画書

・ 2026年度の、予算書

・ 2025年度の、決算報告書(初年度の団体は不要)

・ 2025年度の、事業報告書(初年度の団体は不要)

・ ほしい物品の、型番や品名がわかる明細(工事があれば見積書も)

そして、使えない経費も、決まっています。

この助成では、使えないお金

・ 職員の人件費・手当・日当

・ パソコン・FAXなど、汎用の機器(課題解決に欠かせない場合は別)

・ 机・椅子・書棚などの、常用の備品

・ 領収書のない支出、助成期間の外の支出

とくに、人件費に使えない点は、注意です。
人を雇うお金ではなく、現場の活動に使うお金なんです。

選ばれると、どうなるのでしょう。
選考は、今年の10月ごろです。
12月の理事会で、正式に決まります。
助成の期間は、交付の日から、来年(2027年)の年末までです。

終わったら、成果と収支を報告します。
領収書も、きちんと添えて出します。
東京での成果発表会に、招かれることもあります。
その旅費は、財団が持ってくれるそうです。

きのうの「地域の助成」と、見くらべてみますね。


きのうの「地域振興助成」 総額400万円

 地域の伝統・食・自然を守る活動が対象。法人格が必要でした。

今日の「福祉助成」 総額1,200万円  

障がい者福祉の物品・取り組みが対象。取り組みなら法人格がなくても申し込めます。

同じ財団でも、福祉には3倍のお金を用意しています。

そして、門も、より広く開いています。

そこに、この財団の本気を感じるんです。

おわりに ―― 「うちの利用者さんのために」と、思っている人へ

福祉の現場の毎日は、地味かもしれません。
大きなニュースには、なりにくい活動です。

でも、それを見つけて、支えたい。
すぐに実らなくても、待ってくれる。

そう願う財団が、たしかにあるんです。

しかも、その募集は、今ひらいています。

締切は、8月31日(月)の17時です。
その日をすぎると、扉は閉じてしまいます。

「うちの施設なんて」と、思わないでください。
その現場こそ、誰かの毎日を支えているのですから。

まずは、公式サイトをのぞくことから、
はじめて見ませんか。

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