これから日本は、みんなが平等に、貧しくなっていきます。会社を守るお金と、家族を守るお金は、分けておいてください。橘玲『プアジャパン』を、中小企業の社長の“資産防衛”として読む

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最近、ある一冊の本を、読み終えました。
橘玲さんの『プアジャパン』(プレジデント社)という本です。

メッセージは、とても強いものでした。
国には、もう頼れない。自分の資産は自分で守れ、と。

本の冒頭に、こんな数字が出てきます。
13年前に100万円を預けたら、今いくらか、という比較です。
円の普通預金は、ほとんど増えず
ところがアメリカの株は、なんと10倍を超えていました

「たしかに、そうだよなあ」。
読みながら、私も何度も、うなずきました。

でも行政書士の私は、少しだけ違うことも考えていました。

社長さんの資産を守るという話は、
株や外貨の“前”に、もっと足元にあるんじゃないか
、と。

正直に言うと、これは、私自身の反省の話でもあります。
私はずっと、社長さんに“攻め”の話ばかりして、
自分自身の“守り”を後回しにしてきたんです。

橘玲『プアジャパン』は、何を言っているか

まず本の中身を、私なりにかいつまんでご紹介します。
この本の芯にあるのは、
「国家に頼るのは、もう無効だ」という、ひとつの覚悟です。

日本は、みんなが平等に貧しくなっていく。
実質賃金は、長いこと下がりっぱなし。

だから一人ひとりが、着実に金融資産を増やして、
自分の家族を守るしかない、と。

それを象徴するのが、この数字でした。

13年前に100万円を預けたら、今いくら?

円の普通預金 … ほとんど増えず(約101万円)

アメリカの株 … なんと10倍を超えた(約1,118万円)
(橘玲『プアジャパン』前書きの数値。あくまで、私の解釈による要約です。)

だから株や外貨に「分散」して、自分でリスクに備えなさい。
それが、この本の答えです。

ここで、ひとつ、はっきりさせておきます。私は、行政書士です。
特定の銘柄を「買いなさい」と、おすすめする立場にありません。

これは、橘玲さんの主張の紹介であって、
私からの投資の助言ではありません。

そのうえで私が引っかかったのは、この一点です。

中小企業の社長さんにとって、「分散」って、
いったい何を指すんだろう
、と。

でも、日本の社長は「会社と一体」だ

ここで日本の社長さんの、ある「特別な事情」を思い出してください。
多くの社長さんは、会社の借金を、自分の“個人保証”で背負っています

会社がお金を借りるとき、通常、
社長個人が「返せなければ、私が払います」と、判を押します。

つまり、会社と個人の財布が、一本の線でつながっているんです

これって、「分散」のまったく逆です。

社長さんの資産も、人生も、
「自社」という一点に、まるごと賭けられている。

じつは、国も、ここに危機感を持ちました。

令和4年(2022年)12月、国は「経営者保証改革プログラム」を打ち出しています。
「社長の個人保証に、頼りすぎるのはやめよう」という、大きな方針転換です。
その流れは、数字にも、はっきり表れました。

経営者の“個人保証”を付けない融資の割合

民間の金融機関の新規融資で、52%が“保証なし”に

2024年度の上期(4月〜9月)で、初めて過半数を超えました。
(金融庁の調べ。保証なしが、もう“特別なこと”ではなくなってきています。)

そして、ここが、いちばん大事なところです。

この個人保証を外すための、第一の条件。
それが、「法人と経営者を、はっきり分けること」です。
会社のお金と、社長個人のお金を、混ぜない。
それが、保証を外すスタート地点になります。

ここまで読んで、お気づきでしょうか。

国の制度そのものが、社長さんに、
「会社と個人を、分けなさい」と、言っているんです。

東京商工会議所の相談窓口には、こんな声も寄せられています。


あとを継ぐお子さんが、
「社長になったら、会社の借金を個人で背負うのか」と、おびえてしまう。
その不安が、承継のいちばん大きな壁になっていた、というんです。

けれど、保証を外す道が見えた瞬間、
その壁が、すっと低くなる。
そんな事例もあるそうです。

 これは、私の反省の話です

私はこれまで、社長さんに、“攻め”の話ばかり、してきました。

「この補助金で、設備を入れましょう」
「売上を、もっと伸ばしましょう」と。

会社を大きくする話なら、いくらでも、熱く語れたんです。

でもその裏側を、私は後回しにしてきました。

「もし会社が傾いたとき、
 社長個人と、ご家族の暮らしを、どう守るのか」。

この“守り”の設計を、私は、ほとんど語ってきませんでした。

会社を愛せば愛するほど、
社長さんも、私も、
あるものが見えなくなります。

「会社」と「自分」を、分けて考える、という発想です。

橘玲さんの本を読んで、私は、こう気づかされました。

「これは、投資の話じゃない。
 会社と個人を、分けておけ、という話なんだ」と。

そして、自分の浅さを恥じました。

その上で、分けた資産をどう運用するかについては、
自己責任でご判断いただくことになりますが、


わたしは、「橘玲」さんの動画や書籍を、
いつもとても参考にしています。
お役にたてますと、幸いです。

【インフレ時代の最強ポートフォリオ】
「貧しい日本」での資産の作り方/
「新NISAで世界株」は正解なのか?/
インフレ・金利上昇・円安のリスク/
非課税運用の破壊力/
先物やオプションの考え方
https://www.youtube.com/watch?v=CkRMF94Wov8

「プアジャパン」ではこれまでの常識は通用しない – 橘玲 公式BLOG
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