我々士業は、農作物を作るわけでも、お魚をとるわけでも、
工業製品をつくるわけでもありません。
目に見えないものに対して、対価をいただいています。
だからこそ、
目に見えるものをお売りになる方以上に、
世の中に生かされている感謝や、
世の中に貢献する気持ちがないといけない、
私はそう思っています。
いつもは、会社の社長様向けに、ブログを書いています。
今日は、おひとり親のご家庭様向けに、ブログを書いています。
もしもこのブログをご覧になられた方で、
親しいひとり親家庭の方がいらっしゃいましたら、
ぜひお伝えいただけますと、大変ありがたいです。
令和8年の4月に、民法が、大きく変わりました。
離婚したあとの、子どもの育て方をめぐる、ルールです。
養育費のことも、あらためて、話題になりました。
お金の取り決めは、たしかに、とても大切です。
でも、私は思います。
ひとり親のご家庭に足りないのは、お金だけなのだろうか、と。
熱を出した子どもを、置いては行けない、朝があります。
どうしても、抜けられない残業の、夜があります。
「あと一人、手があれば」。そう思う瞬間が、あるはずです。
じつは、その「もう一人の手」を貸してくれる制度があります。
しかも、多くのご家庭で、無料で、です。
今日は、その話を、させてください。
これは「お金」ではなく、「手」を貸してくれる制度です
正直なことをもうしますと、
この情報をお伝えしても、私には一円の仕事にもなりません。
でも、どうしてもお伝えしたくて、書いています。
その理由は、たったひとつなんです。
この制度が、あまりにも、知られていないからです。
ひとつ、数字をお見せします。
全国のひとり親のご家庭は、およそ134万世帯。
でも、この制度を実際に使ったのは、
令和4年度の1年間で、全国でたった約2,371世帯でした。
134万の、ひとり親家庭。
使ったのは、1年で、約2,371世帯。
知らなければ、使えません。使わなければ、ゼロのままです。
知られていないだけで、救われないご家庭があります。
それが、くやしくてたまりません。
ひとり親のお母さんの、8割以上は働いておられます。
それでも、およそ2世帯に1世帯が、
くらしの厳しさを、かかえています。
働いていても、時間と手が足りない。
国も、これを「時間の貧困」と呼んでいます。
そして、「相談できる相手が、いない」。
そう答えるひとり親も、少なくありません。
足りないのは、お金だけじゃ、ないんです。
足りないのは、ときに、「もう一人の手」なんです。
私の仕事の原点は、知識と情報を届けて哀しみを減らすこと。
だから1円の仕事にならなくても、これだけは伝えたい。
疲れた肩に、もう一人の手を添える。
それが、今日ご紹介するこの制度です。
何を、してくれるの? ― 家事も、保育も、送りむかえも
この制度の主役は、「家庭生活支援員」さんです。
研修を受けた、くらしの支えの、プロです。
資格をもった方や、自治体の講座を修了した方が、務めます。
その支援員さんが、ご家庭にいらっしゃり、
大きく二つのことを、してくれます。
支援員さんが、してくれること
【生活援助】
・ 食事の、支度やあとかたづけ
・ お部屋の、掃除や整理
・ 日用品や、食品の買い物
・ 身のまわりの、お世話
・ 病院や、役所との連絡
【子育て支援】
・ 赤ちゃんや、小さなお子さんの保育
・ お子さんの、食事や生活のお世話
・ 保育所などへの、送りむかえ
来てくれる場所は、原則、あなたのご自宅です。
自治体によっては、支援員さんのお宅や、
児童館などで、お子さんを預かる形も、あります。
派遣の調整をする、コーディネーターさんも、います。
だから、はじめてでも、心配はいりませんよ!
どんなときに、頼めるの? ― 残業の夜も、面接の日も
では、どんなときに、頼めるのでしょうか。
思っているより、ずっとはばひろいんです。
たとえば、こんなときに頼めます
・ 就職活動や、面接に行くとき
・ 資格をとるために、学校に通うとき
・ 病気やケガ、看病、入院、出産のとき
・ 事故や、災害にあったとき
・ 残業や、出張、転勤があるとき
・ 冠婚葬祭や、学校の行事があるとき
・ 夜おそくまで仕事で、帰りが遅い日(定期的にも)
じつは、離婚に向けて話し合っている途中の方も。
支援が必要と認められれば、対象になることがあります。
「こんなことで、頼んでいいのかな」。
そう思うようなことでも、どうかためらわないでください。
来てくれる時間帯にも、はばがあります。
自治体によっては、朝7時~夜9時ごろまで。
日曜や祝日に、来てくれるところもあります。
※使える回数や時間は、自治体ごとに決められています
(たとえば「1か月に○時間まで」など)。
お住まいの窓口で、ご確認くださいね。
いちばん気になる、お金のこと ― 多くの世帯が「無料」です
いちばん、気になるところですよね。お金の話です。
先に、大事なことを、お伝えします。
生活保護のご家庭と、住民税が非課税のご家庭は、無料です。
【利用料のめやす】 国が示している標準額(1時間あたり)
生活保護・住民税非課税の世帯 … 0円(無料)
児童扶養手当を受けている水準の世帯 … 生活援助 150円 / 子育て支援 70円
その他の世帯 … 生活援助 300円 / 子育て支援 150円
これは、多くの自治体が採用している、標準の「めやす」です。
自治体によっては、もっと手あついところも、あります。
横浜市や、東京の世田谷区などは、
所得にかかわらず、ぜんぶ無料なんです。
もし有料でも、1時間あたり、数百円ほど。
なぜ、こんなに、安いのでしょう。
支援員さんにかかる費用の多くを、
国と自治体が、支えてくれているからです。
民間の家事代行や、ベビーシッターは、
1時間あたり、数千円が、ふつうです。
くらべてみると、どれだけ心づよいか伝わるかと思います。
※お子さんの人数などで、加算される場合もあります。
金額は、お住まいの自治体でご確認くださいね。
使えるのは、どんな人? 申し込みは、どこへ?
この制度を使えるのは、どんな方でしょうか。
母子家庭のお母さん、父子家庭のお父さん、そして寡婦の方です。
寡婦とは、かつてひとり親として、子育てを終えられた方のことです。
対象になるお子さんは、20歳になるまでです。
では、どこに申し込めばよいのでしょう。
申し込みの流れ(おおまかな例)
① まず、窓口で「事前の登録」をします
② 所得に応じて、料金の区分が決まります
③ 使いたい日と、その理由を、申し込みます
④ 家庭生活支援員さんが、派遣されます
⑤ 使ったぶんだけ、あとで支払います
登録のときは、ひとり親であることの分かるものと、
所得の分かるものを、用意します。
(児童扶養手当の証書や、戸籍などが、その一例です。)
窓口は、市区町村の、こども家庭課や、子育て支援課です。
委託された、母子・父子福祉センターや、
社会福祉協議会が、受け付けることもあります。
私のいる、広島県の三次市でもこの事業は行われています。
ただ市のホームページには、料金などの細かい案内がまだありません。
くわしくは、三次市のこども家庭支援課(0824-62-6148)に、
お尋ねください。
となりの広島市では、1か月に40〜60時間ほど。
6か月まで使えて、申し込みは、
広島市母子寡婦福祉連合会(082-264-0505)が受け付けています。
この制度だけ、じゃありません ― ひとり親を支える、ほかの仕組み
じつは、ひとり親のご家庭を支える仕組みは、
ほかにも、たくさん、あるんです。
知っているだけで、ずいぶんちがってきます。
ひとり親を支える、おもな制度
(いずれも、窓口はお住まいの市区町村です)
【お金の支え】
・ 児童扶養手当(年6回、奇数月にお支払い)
・ 母子父子寡婦福祉資金の貸付(多くが無利子)
【仕事・学び直しの支え】
・ 高等職業訓練促進給付金(資格をとるあいだの生活費)
・ 自立支援教育訓練給付金(講座の受講料の補助)
【相談・子どもの学びの支え】
・ ひとり親家庭等生活向上事業(相談や、子どもの学習支援など)
たとえば、児童扶養手当は、令和6年の11月に手あつくなりました。
3人目からの加算が、増えたんです。
どれも、申し込まなければ、始まりません。
制度は、知っている人だけが、使えます。
そのほかにも、税金の面・奨学金の面など
さまざまな優遇措置があります。
だからこそ、お伝えしたかったんです。
※ここに挙げた制度は、それぞれ内容がちがい、日常生活支援事業とは別の仕組みです。金額や要件は年度によって変わります。詳しくは市区町村の窓口へ。
だから ―― まず「電話一本」から
むずかしく、考えなくて、大丈夫です。
まず、やることは、たった、ひとつだけ。
お住まいの市区町村に、電話で、聞いてみることです。
「ひとり親の、日常生活支援を、使いたいのですが」。
そう、伝えるだけで、大丈夫です。
人に頼るのは、弱さじゃ、ありません。
あなたと、お子さんを守るために、
ちゃんと、用意された制度です。
ためらう気持ちも、よく分かります。
人に頼るのは、ほんとうに勇気がいります。
でもこれは、ひとり親家庭のために用意された仕組みです。
使わない手は、ないと思います。
おわりに ―― ひとりで、抱えなくて、いい
今日は、私の仕事にならない制度の話をしました。
でも、どうしても伝えたかったんです。
お金の手当だけでは、埋められないものがあります。
それは、「もう一人の手」と、
「ひとりじゃない」という安心です。
熱を出した子の、となりに座ってくれるだれか。
洗い物を、代わりにしてくれるだれか。
その「だれか」を、国と自治体が、用意してくれています。
どうかぜんぶを、ひとりで背負いこまないでくださいね。
家族がコロナにかかり、その上仕事もしなくてはならず、
仕事も家庭も、抱え込まなくてはいけなくなった
今だからこそわかる気持ち、寄り添える気持ちで
今日のブログをお届けしました。

