広島県三次市・庄原市・安芸高田市の事業者の皆様へ：外国人労働者雇用の基礎知識

こんにちは。広島県三次市で行政書士を務めております高杉将寿と申します。今回は、外国人労働者雇用に関する基礎知識について、詳しくお話しさせていただきます。

外国人労働者雇用の現状と課題

近年、広島県内でも外国人労働者の雇用が増加傾向にあります。特に三次市、庄原市、安芸高田市といった地域でも、製造業や農業を中心に外国人材の需要が高まっています。しかし、多くの事業者の方々から「外国人雇用の手続きが複雑で分からない」「在留資格の種類や要件が難しい」といった声をよく耳にします。

厚生労働省の統計によると、2022年10月末時点での広島県内の外国人労働者数は36,607人に達し、前年比14.9％増加しています。これは、平成19年にハローワークへの届出が義務化されて以来、過去最高を記録しています。三次市、庄原市、安芸高田市を管轄するハローワーク三次では、同時期に1,124名の外国人労働者が届出をしており、県全体の外国人労働者数の約3.1%を占めています。

外国人雇用に関する基本的な法律知識

外国人を雇用する際には、まず「出入国管理及び難民認定法」（入管法）を理解することが重要です。この法律に基づき、外国人が日本で就労するためには適切な在留資格が必要となります。

主な就労可能な在留資格には以下のようなものがあります：

技術・人文知識・国際業務
技能
特定技能
技能実習
特定活動

それぞれの在留資格には、従事できる業務内容や必要な資格・経験などの要件が定められています。例えば、「特定技能」は2019年4月に新設された在留資格で、特定の産業分野における人手不足に対応するために導入されました。

外国人雇用時の注意点

外国人を雇用する際には、以下の点に特に注意が必要です：

在留資格の確認
雇用しようとする外国人の在留資格が、従事させる業務に適合しているか確認する必要があります。
雇用条件の明示
労働条件を明確に示し、日本人労働者と同等以上の待遇を確保することが求められます。
外国人雇用状況の届出
外国人を雇用した場合、またはその雇用が終了した場合には、ハローワークへの届出が義務付けられています。
社会保険の加入
一定の条件を満たす場合、日本人と同様に社会保険への加入が必要です。
労働関係法令の遵守
労働基準法、最低賃金法などの労働関係法令は、国籍を問わず適用されます。

これらの手続きや法令遵守を怠ると、罰則の対象となる可能性があります。例えば、外国人雇用状況の届出を怠ったり、虚偽の届出を行ったりした場合、30万円以下の罰金が科される可能性があります。

外国人雇用の具体的な手続きの流れ

外国人労働者を雇用する際の一般的な手続きの流れは以下のようになります：

採用活動
留学生や海外からの人材を対象に採用活動を行います。
在留資格の確認・取得
採用予定者の在留資格を確認し、必要に応じて在留資格の取得や変更の手続きを行います。
雇用契約の締結
労働条件を明示した雇用契約を締結します。
入国手続き
海外から直接雇用する場合は、入国のための手続きを支援します。
外国人雇用状況の届出
ハローワークに「外国人雇用状況届出書」を提出します。
社会保険・労働保険の手続き
必要に応じて各種保険の加入手続きを行います。
就労開始
オリエンテーションや研修を実施し、就労を開始します。

これらの手続きは複雑で時間がかかることがあり、専門的な知識が必要となる場合も多いです。そのため、行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。

外国人雇用に関する支援制度

広島県では、外国人材の受入れを支援するためのさまざまな制度があります。例えば、以下のような支援が利用可能です：

外国人雇用管理アドバイザー
広島労働局が委嘱する専門家が、外国人雇用に関する相談に無料で応じます。
外国人材の採用・定着のための助成金
外国人材の採用や定着を図る企業に対して、各種助成金制度があります。詳細については、厚生労働省のウェブサイト等でご確認ください。
日本語学習支援
外国人労働者の日本語学習を支援するための補助金制度があります。詳細については、法務省のウェブサイト等でご確認ください。

これらの支援制度を活用することで、外国人雇用に伴う負担を軽減することができます。