夏休みは、学校の給食が、止まります。
その「食の空白」に、30万食を届けようという官民連携のプロジェクトが、
この7月7日に発表されました
(認定NPO法人キッズドアなどの発表。PR TIMES・令和8年7月7日)。
吉野家さんのような企業も、参画しているそうです。
沖縄からも、令和8年7月16日の沖縄タイムスが、
那覇の「こども食堂スマイル」の取り組みを伝えていました。
夏休みの30日間30カ所で、あわせて3万食のランチを、
無償で届けるのだそうです。
全国で、大人たちが、子どもの夏を支えています。
今日は、そういう活動に光を当てる表彰のお話をさせてください。
その活動をつぶすのは、資金難ではありません

こども食堂は、いま、全国に1万2,602カ所あります(むすびえ・2025年度確定値)。
公立小学校の数の、およそ7割にあたる数です。
一方で、こんな調査もあります。
世帯年収300万円未満のご家庭では、小学生のおよそ3人に1人が、1年間、
学校の外での体験活動をまったくしていない
(チャンス・フォー・チルドレン・2023年調査)。
だからこそ、子ども会や、子ども食堂や、スポーツ少年団が、
地域の子どもたちを静かに支えているんです。
でも、そういう活動が、ある日、
ふっと消えてしまうことがあります。
儲からないから、では、ありません。
誰にも知られず、誰にもほめられず、
担い手さんだけが、静かに疲れていくからです。
正直に書きますと、私も、地域の子どもの活動を、
「ありがたいなあ」と眺めるだけで、
応援する側に回ったことがありません。
今日は、その反省もこめて、書いてみようと思います。
賞金50万円。でも、いちばんの賞品は、それじゃない

主催は、公益財団法人パナソニック教育財団の「こころを育む総合フォーラム」です。
2005年に設立され、座長は、哲学者の鷲田清一さんが務めています。
このフォーラムが、「3つのこころ」を育む活動を、全国から表彰しています。
【表彰の物差し「3つのこころ」】
自分に向かう“こころ” … 自立心や自尊心を確立し、人間らしさや自分らしさを理解するこころ
他者に向かう“こころ” … 人と人とのかかわりを大切にし、他者を思いやり、傷つけないこころ
社会に向かう“こころ” … さまざまな価値観を尊重し、社会と自分との関係性を理解するこころ
賞と賞金は、こうなっています。
【賞と賞金(件数は2025年度実績)】
全国大賞 … 賞状+賞金50万円(1件)
優秀賞 … 賞状+賞金20万円(4件)
特別賞 … 賞状+賞金20万円(2件)
対象は、家庭・地域・学校・企業などで、継続している活動です。
法人格は問われませんし、自薦でも他薦でも応募できます。
そして、書類選考のあとには、
現地またはオンラインでの取材があります。
書類のうまさだけではなく、
実際の活動そのものを、見てもらえる選考です。
賞金も、もちろん、ありがたい。
でも、いちばんの賞品は、
「ちゃんと見てくれている人がいた」という光だと、私は思っています。
広島から、全国大賞が出ています

2025年度の全国大賞は、広島市のNPO法人「風の家」でした。
非行に向き合う少年や、矯正施設を出た方の自立を、支え続けてきた団体です。
この年の応募は過去最多の261件で、そのなかでの全国大賞でした。
おとなりの岡山市では、「さい子ども会」が特別賞を受けました。
昔ながらの地域の子ども会を現代風に立て直し、
参加する子どもを20人から100人にまで増やした活動です。
2024年度には、埼玉県の「れでぃばーど」さんが、
子ども食堂などの活動で優秀賞を受けています。
子ども食堂も、ちゃんと表彰の対象になる、ということです。
今回の募集は、同じ広島県から全国大賞が出た、その直後の回です。
次は、県北の番だと、私は勝手に思っています。
物をつくる前に、人をつくる

この財団は、松下幸之助さんが創業した、パナソニックの教育財団です。
幸之助さんには、有名な言葉があります。
私なりに要約すると、「松下電器は人をつくる会社です。あわせて電気製品もつくっています」
と語った、されるものです(パナソニックグループ公式サイトの創業者関連ページより)。
物をつくる前に、まず、人をつくる。
これは、そのまま、中小企業の社長さんにもあてはまると思うんです。
職場体験の受け入れ、少年団のコーチ、子ども食堂への食材の提供。
どれも、すぐには、利益になりません。
でも、そういう「儲からない活動」こそが人を育て、
めぐりめぐって、会社と町を残してくれます。
採用でも、信頼でも、地域とのつながりでも、です。
近江商人の言う三方良しの、「世間良し」ですね。
そして、この表彰には、企業の活動も応募できるんです。
応募は、Word2枚。しかも、他薦ができます

さて、ここからは、実務のお話です。
応募は、公式サイトでオンライン登録をして、Wordの応募申請書を提出します。
その申請書はたったの2枚で、活動内容を書く欄は800字程度です。
締切は、令和8年9月3日(木)17時。
書類は、Word2枚だけ。
自薦・他薦OK。法人格も、問いません。
そのあとは、10月下旬から11月下旬に取材、12月下旬に結果発表と続きます。
表彰式は、令和9年(2027年)2月19日に、都内で開かれる予定です。
ここで、ひとつ、思うことがあります。
書類が苦手で応募しない団体こそ、
いちばん表彰されるべき団体じゃないでしょうか。
だから、他薦という仕組みが優しいんですね。
社長、あなたが、推薦者になれます。
800字の応募書類は、「お金をもらう書類」では、ありません。
「20年の活動に、名前をつける書類」です。
活動の物語を言葉にする仕事は、
経営計画づくりと同じで、私たちの腕の見せどころでもあります。
おわりに ―― 見つけた人が、光を当てる番です
あなたの町にも、ありませんか。
誰にも知られていないまま、子どもたちのために続いている活動が。
その活動をつぶすのは、資金難ではなく、
「誰にも知られていないこと」です。
だったら、見つけた人が、光を当てる番です。
むずかしいことは、要りません。
まずは活動の代表さんに、「こんな表彰、ありますよ」と教えてあげる。
それだけでも、立派な応援です。

