事業承継・M&A補助金─わが社の場合の場合、具体的に何に使えるの?①代替わりしたあとの設備投資。➁会社を譲る・譲り受けるときの専門家費用。③買った会社と一つになるための費用。④そして、事業をたたむときの費用。

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9月4日、16次公募の要領が公開されました。
受付は10月2日から11月6日までです。

この補助金が使える場面は、大きく四つです。
 代替わりしたあとの設備投資。
➁ 会社を譲る・譲り受けるときの専門家費用。
③ 買った会社と一つになるための費用。
④ そして、事業をたたむときの費用。

実際に採択された方が何にお金を使ったのか、順にご紹介します。


1. 息子・娘・従業員に継がせる ── 設備投資に最大800万円

これから5年以内に、親族か従業員へ事業を引き継ぐ予定の方が使えます。

熊本県美里町の鍛冶屋さんは、大正10年創業の工房を親子で引き継ぎました。
補助金で工房を広げる工事をし、機械を入れ、全国から募集した若手職人3人を
新しく雇っています
。従業員4人の、山あいの工房での話です。

千葉県南房総市では、おじいさんが始めた小売店をお母様から引き継いだ方が、道の駅の前でハンバーガー店に商売替えしました。厨房設備と内装工事に使い、2024年11月に開店しています。

ほかにも、こんな使い方がされています。

高知県の洋菓子店は、電熱オーブンと冷蔵ケース、30リットルのミキサー

佐賀県の自動車整備工場は、フロンガスの回収再生装置

奈良県の製材所は新型のサンダー機を入れて、残業を減らしました

静岡県のクリーニング店は水洗機を2台入れ、介護をしているご家庭向けに、寝具を当日仕上げで洗って乾かして消毒するサービスを始めています

栃木県のトマト農家は、ハウスの保温スクリーンを光をよく通す省エネ素材に張り替え
承継後2か月の収穫量が前の年より4割増えました

和歌山県の花屋さんは、店内をショールームに改装しています。

では、いくら戻ってくるのか

従業員5人以下(製造業や宿泊業などは20人以下)の小規模事業者であれば、
かかった費用の3分の2が補助されます。

  • 300万円の機械を入れた → 200万円が補助され、自己負担は100万円
  • 900万円かけて店舗を改装した → 600万円が補助され、自己負担は300万円

上限は800万円。賃上げをすれば1,000万円まで上がります。
小規模事業者にあたらない場合は2分の1です。

対象になるのは1件20万円以上のもの。
パソコンやスマートフォン、乗用車のように
「他のことにも使えてしまうもの」は認められません。

設備以外にも、商標登録を弁理士に頼む費用、
ホームページやネットショップの制作費、
商品パッケージのデザイン料が使えます。


2. 会社を譲る・譲り受ける ── 専門家に払うお金に最大800万円

後継者がいないので誰かに譲りたい。あるいは、同業を買って事業を広げたい。そのときに仲介会社や専門家へ払うお金が対象です。

沖縄県のマンゴー農園は個人事業でしたが、後継者がおらず、県外のスーパーへ譲渡しました。
その仲介役への費用に使っています。

愛知県の室内ゴルフ練習場は、黒字だったゴルフ事業だけを従業員に譲りました。
会社の財務を調べる費用と、事業の値段を算定する費用が対象になっています。

福島県の税理士事務所は、代表が病気になったことをきっかけに、
近くの事務所へ事業を譲渡しました。
契約手続きのサポート費用に充てています

千葉県の解体工事業者は総合建築業者へ株式を譲渡し、
兵庫県では過疎地の薬局を引き継ぐ側が、
案件を紹介してもらった手数料に使いました。

いくら戻ってくるのか

譲り受ける側は、かかった費用の3分の2、上限600万円。
買う前に相手の会社の中身を調べる調査(デューデリジェンス)も行えば、
上限が800万円に上がります

  • 仲介手数料が600万円 → 400万円が補助され、自己負担は200万円

譲り渡す側も3分の2または2分の1。
従業員5人以下の小規模事業者であれば、上限450万円・3分の2の枠が使えます。

  • 仲介手数料が300万円 → 200万円が補助され、自己負担は100万円

なお、仲介会社への手数料は、その業者が国の「M&A支援機関登録制度」に登録されていなければ対象外になります。契約の前にご確認ください。


3. 買った会社と一つになる ── 統合の費用に最大800万円

会社を買ったあと、給料の決め方をどう揃えるか。
就業規則をどうするか。会計のやり方をどう一本化するか。
ここでつまずくM&Aは少なくありません。

富山県高岡市の鋳物メーカー・能作は、5代目に代替わりした年に、
新潟県の会社と経営統合しました。

両社の技術を合わせたジュエリーブランドの開発と、
そのための設備投資に補助金を使っています。

制度を教えてくれたのは、取引先の銀行だったそうです。

税理士・社会保険労務士・中小企業診断士などに相談する費用なら、半額で150万円まで
設備を入れ替えたり、両社のシステムを一つにまとめたりする費用なら、8
00万円まで(賃上げで1,000万円)使えます。


4. 事業をたたむ ── 解体や在庫処分に補助が出る

意外に知られていませんが、やめるときの費用にも補助金が出ます。

解散・清算の登記を司法書士に頼む費用。
税理士への清算申告の費用。
売れ残った在庫の処分費。
工場や倉庫の取り壊し費用。
テナントを出るときの原状回復工事。
リースの解約金。こうしたものが対象
です。

福井県では、廃業した新聞販売店の建物を引き継いだ方が、
古い構築物を撤去して事務所に改装しました。
撤去費用と改装費用をあわせて申請
しています。

  • 原状回復120万円+在庫処分50万円+登記と申告30万円=200万円
    約133万円が補助され、自己負担は約67万円

この枠の一番の特徴は、ほかの枠と組み合わせて使えることです。
「一部の事業は譲渡して、残りはたたむ」
「息子に継がせるが、使っていない古い工場は解体する」
といった形で申請できます。


事業承継促進枠、専門家活用枠、PMI推進枠、廃業・再チャレンジ枠。名前は堅いのですが、中身は「継ぐ」「譲る」「一つになる」「たたむ」の四つだけです。

ご自身の商売がどれにあたるか、一度お聞かせください。

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