広島県の会社だけ、最大500万円。小規模事業者は4分の3 事務局から、もうすぐ予算がなくなるので急いでくださいと言われています。

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令和8年7月17日の時事ドットコムに、こんな見出しが出ていました。
「最低賃金上げ、目安額の議論至らず 厚労省審議会、3回目会合」。

厚生労働省の審議会で、企業の支払い能力をどう見るかをめぐり、労
使の隔たりが埋まらなかったそうです。
具体的な目安額の議論までは進まなかった、と報じられています。

次回は7月23日で、月内の決着を目指すと伝えられています。
金額はまだ見えませんが、上がること自体は、もう動きません。

そこで社長さんの頭に浮かぶ問いは、たぶん、たったひとつです。
その原資は、どこから出すのか。
今日は、その原資をつくる側にお金を出す、広島県だけの補助金の話を書きます。

広島の賃上げの、7割が「防衛的」です

広島県商工会議所連合会が、令和8年3月に、県内企業への調査を行っています。
県内13商工会議所のモニター企業が対象で、583社が回答したものです。

公表されている調査結果を、私なりに要約すると、こうなります。

【広島県内企業の実態(令和8年3月調査・583社回答)】

人手不足だと答えた企業 …… 51.7%

正社員の賃上げを実施予定 …… 64.0%

そのうち「防衛的な賃上げ」 …… 69.5%

賃上げをする会社は、6割を超えています。
広島の会社は、賃上げをしていないわけではないんです。

気になるのは、その中身のほうです。

賃上げをすると答えた会社の、
およそ7割が「防衛的な賃上げ」と回答しています。

業績が良いから上げるのではなく、
上げないと人が辞めるから上げる、ということです。

原資のないまま賃金だけを上げれば、どこかが必ず削れます。
削れるのは、たいてい、
社長さん自身の体力と、会社の未来への投資です。

根性で持ちこたえられる期間は、そう長くありません。

 8割近くが同じ道に走って、空いている道が、あります

 8割近くが同じ道に走って、空いている道が、あります

【人手不足への対策として挙げられたもの】

採用活動の強化 …… 77.7%

デジタル・機械・ロボットの活用 …… 26.6%

その差、およそ51ポイント。 ※複数回答の設問です。

ここが、私のいちばん申し上げたいところです。
採用活動の強化は、いま日本でいちばん人の取り合いが激しい道です。

その渋滞した道に、8割近い会社がまっさきに手を伸ばしています。
一方で、人がいなくても回る形をつくる道は、
まだ4社に1社しか走っていません。

混んでいる道より、空いている道のほうが、速いんです。

採用をやめましょう、という話ではありません。
ただ、限られた時間とお金を、
渋滞した道だけに向ける必要は、ないはずです。

で、いくら出るんですか

この補助金は、広島県が実施し、広島県中小企業団体中央会が事務局を務めています。
申請の時点で広島県内に事業を行う場所があることが前提で、
設備投資も県内で行うことが条件です。

上限額は、4つの区分に分かれています。

【補助上限額(4区分)】

一般型 通常枠 …… 50万円

一般型 デジタル枠 …… 150万円

経営革新計画活用型 通常枠 …… 250万円

経営革新計画活用型 デジタル枠 …… 500万円

補助率は3分の2。小規模事業者は4分の3です。

小規模事業者かどうかは、常時使用する従業員の数で決まります。
製造業・宿泊業・娯楽業・その他の業種は20人以下、
卸売業・小売業・サービス業は5人以下です。

たとえば小規模事業者が、経営革新計画活用型のデジタル枠で、667万円の対象経費を使ったとします。

4分の3で計算すると上限の500万円に届き、自己負担は約167万円という計算になります。

※あくまで計算上の目安です。審査で対象外と判断される経費が出れば、補助額は変わります。

対象になる経費は、機械装置等費・広報費・展示会等出展費・専門家謝金・専門家旅費・人材育成研修費の6区分です。

ひとつだけ、デジタル枠で誤解の多いところがあります。

単なる設備の更新だけでは、デジタル活用とは認められません。

パソコンやタブレットなど、汎用の機器を買うことだけを目的とした取組も、同じです。

上限が、50万円から500万円になる道があります

一般型の通常枠が50万円で、経営革新計画活用型のデジタル枠が500万円。
同じ制度なのに、上限が10倍違います。

この差を分けているのが、広島県知事の承認を受けた経営革新計画です。
経営革新計画というのは、新しい取組で会社を伸ばす3年から5年の計画をつくり、
県の承認を受ける仕組みのことです。

経営革新計画活用型を使えるのは、次のどちらかに当てはまる会社です。

【経営革新計画活用型の入口】

令和8年8月31日までに、広島県知事の承認を受けた経営革新計画を持っていること。

または、8月31日までに承認申請を行い、令和8年9月30日までに承認を受けること。

9月30日までに承認されなければ、対象から外れます。

承認申請中でも申し込めますが、実質のデッドラインは9月30日のほうです。
その計画の期間の中に、補助対象期間が入っていることも必要になります。

なお、一般型と経営革新計画活用型を、両方に申し込むことはできません。

申請は1社につき1件までで、採択も1件までです。
すでにこの補助金の採択を受けた会社は、対象になりません。

この10倍の差は、機械の値段の差ではありません。
どこまで先を見て計画を立てたか。県が見ているのは、そこです。

 正直に、こわい話は3つだけ

良い話だけを書いて終わるのは、私の性に合いません。

ひとつ目は、この補助金が精算払、つまり後払いだということです。

実績報告をして、額が確定して、それから請求という流れになります。
事業をしている間は、機械代も工事代も、
いったん全額をご自分で立て替えることになります。

ふたつ目は、動かせない期限があることです。

補助対象期間は交付決定の日から令和9年1月29日までで、いかなる場合も延長はできません。
交付決定というのは、この事業を補助金の対象として認めます、
という通知のことです。

この通知より前に発注や契約をしてしまった経費は、対象になりません。
しかも「完了」とは、納品も検収も支払いも終わっている状態のことを指します。

交付決定までは、おおむね1〜2か月かかります。
7月・8月の申請は、決して余裕のあるスケジュールではありません。

三つ目は、締切より先に終わる可能性があることです。

交付要領には、こう書かれています。
「予算額に達した場合は、当該期間内であっても受付及び採択を終了することがある」
随時申請・随時採択の制度です。8月31日まで待てばよい、
という制度ではありません。

県が公募開始のときに公表した資料では、
予算の規模は約8億2千万円、想定される採択件数は500件とされています。

そして令和8年6月30日には、第1回の採択88件が公表されました。
枠が、無限にあるわけではないんですね。

事実、7月17日に、以下の様な発表がありました。

中小・小規模事業者等の計画的経営改善応援補助金の申請状況について(お知らせ)

現在、中小・小規模事業者等の計画的経営改善応援補助金に多くの申請をいただいている状況です。
そのため、当初申請締切日である8月末を待たずに受付を終了する可能性がございます。

申請を予定されている事業者様におかれましては、
お早めに申請をご検討いただきますようお願い申し上げます。


現在、広島県のサポートを受けて、
持続的に賃上げが可能な会社の体質にしようと、
多くの会社様が、手を挙げていらっしゃいます。

その中には、同業他社の方も多いと思います。
今後勝ち抜いていかれるためにも、
生きぬいていかれるためにも、
是非この貴重な機会を失わないでいただきたいと、
心から思います。

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