
けさのニュース、ご覧になりましたでしょうか?
今年の最低賃金の目安が決まりました。
広島は、56円の引き上げです。
「また上がるのか」と、ため息の社長さんへ。
きょうは、そのため息のお話ではありません。
同じ賃上げで、得をする会社と損する会社のお話です。

時給の「56円」アップが決まりました
きのう、7月28日のことです。
厚生労働省の審議会が、目安を決めました。
NHKや新聞各紙も、いっせいに報じています。
全国の平均で、55円の引き上げです。
平均の時給は、1,176円になる見込みです。
目安として、過去2番目の大きさだそうです。

いまの広島の最低賃金は、1,085円です。
56円上がって、1,141円になる計算です。
金額の確定は、これからです。
8月に、広島の審議会が答えを出します。
新しい時給が始まるのは、例年なら秋です。
昨年の広島は、11月1日からでした。
時給で56円と聞くと、小さく見えます。
でも、フルタイムの方なら、月におよそ1万円。
1人で年に12万円ちかい人件費増です。
5人いれば、年に60万円の規模になります。
正直、ため息が出る数字です。
でも、ここから先が、きょうのお話です。
この56円、上げるだけの道と
上げた分お金をもらう道に、大きく分かれます。
同じ56円が、最大600万円と0円に分かれます
この夏、2回お話しした制度があります。
厚生労働省の、業務改善助成金です。
おさらいは、この3行だけにします。

業務改善助成金(令和8年度)
① 事業場でいちばん低い時給を、50円以上、上げる
② あわせて、生産性の上がる設備などを入れる
③ 費用の最大5分の4・最大600万円が戻ってくる
※最大5分の4は、いまの時給が1,050円未満の場合(1,050円以上は4分の3)。
上限額は、引き上げる額と人数で変わります。

簡単に言います。
国から強制される前に、前もって賃上すれば、最大600万円の助成金。
国に強制されてからから上げれば、0円です。
分かれ道は、金額ではなく、順番です。
国は、賃上げする会社だけに、お金を配っています

ここからが、いちばん伝えたいことです。
じつは、この助成金だけの話では、ないんです。
いま、国の主な補助金のほとんどに、
「賃上げの約束」がセットになっています。
たとえば、この秋のものだけでも。

賃上げが「入場券」になっている補助金(令和8年7月29日時点)
■ 小規模事業者持続化補助金〔第20回〕
→ 販路開拓の費用を補助。賃金引き上げなどの特例で、上限50万円が最大250万円に
→ 受付:11月5日〜12月15日
■ 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金〔第1回〕
→ 設備投資・新事業の大型補助金。賃上げの約束が申請の条件。上乗せの賃上げで、上限は最大9,000万円
→ 受付:9月30日〜10月30日
■ 中小企業省力化投資補助金〔カタログ注文型〕
→ 人手不足対策の機器をカタログから選ぶ型。
賃上げを表明すると、補助の上限が1.5倍に
→ 受付:随時(予算がなくなりしだい終了)
見てほしいのは、共通の形です。
賃上げをすると、扉が開くか、上限が上がる。
賃上げそのものが、入場券になっているんです。
そして、きのうの目安の決定で、
この秋、多くの会社が、賃上げをします。
言いかえれば、強制的に入場券を買わされるんです。
なのに、会場に入らないまま帰ってしまう。
それが、もったいなくて、たまりません。
賃上げをするのに、
補助金や助成金をもらわないのは、
大損ですよ。
もらうものは、もらって上げてください。
それは、ずるいことではありません。
国が用意した、正式な仕組みなんですから。
言い替えれば、
国は、賃上げの負担を、
否応なしに、強制的に企業に負わせているのですから、
国からお金をもらわないと、もったいないです。
賃上げして、大金をいただいている方だけが、
得をする現状があります。
人によっては、上手にやりくりされて、
毎年いただいておられます。
このブログをご覧いただいた方は、
是非損をする方に、回っていただきたくないと思います。


