
AIをよく使う人ほど残業が増える傾向にある、
という日経新聞の記事に驚きました。
なぜ、そのようなことが起きるのか、
驚いて色々と調べたところ、
色々な盲点が明らかになりました。
弊所でも、思い当たる節がたくさんありましたし、
おそらく、多くの会社様のお役にたつと思います。
私の事務所は、比較的早い段階から
AIを導入したと思います。
お恥ずかしながら、残業は減っていません。
私自身の反省をふまえたこの記事は、
これからAIを本格的に導入なさる方、
同じように減らない残業にお困りの方の、
一助になるかもしれません、
長くなりましたので、二回に分けることとし、
昨日、前半部分を記載しました。
今日は、後半部分です。
経営者は、AIで浮いた時間ら、迷うことなく、新しい仕事をいれてしまう。
ここからは、私の恥ずかしい話です。

私も、仕事でAIを使っています。
制度の下調べや、文章の下書きに。
たしかに、作業は速くなりました。
1時間かかっていた下調べが、20分。
はじめは、うれしかったです。
ところが、事務所を出る時間は、
ちっとも早くなりませんでした。
むしろ、遅くなった月もあります。

なぜか。理由は、はっきりしています。
浮いた40分に、私は迷うことなく、
次の仕事を入れていたからです。
「40分空いたから、もう1件できる」。
そう思って、その日のうちに埋めたからです。
私たち経営者は、一定時間働いていただくことに、
報酬をお支払いしています。
8時間で出来る仕事が、6時間で終わったから。
今日はみんなで早く帰りましよう、
とはなかなか言えません。
2時間時間が浮いたら、
その分、違う仕事をしてもらいます。
あまりにも当たり前の話ですが、
AIが、私の仕事を増やしたのでは、ありません。
AIによって時間が空いても、
経営者は空いた分だけ、仕事を増やします。
経営者は1件・1時間・売上1万円の仕事が
30分で完了するようになれば、
2件・1時間・2万円の売上げが、
絶対に欲しくなると思います。
余談ですが、従業員はそうではありません。
頑張ってAIを覚えて、時間を浮かせて、
皆が楽になるはずだったのに。
AIで浮いた時間に、どんどん次の仕事が入って、
余計しんどい思いをするくらいなら、
何も改善など、しない方が良い、と思うかもしれません。
このように、AIによる業務改善は、
立場によって、大きな考え方の対立があります。

AIで空いた時間は、大きく分けて3つの場所に吸収される。
AIがつくった時間には、行き先があります。
そして、その行き先は3つと言われています。

| ① 自分の、次の仕事へ | ② 隣の人の、手直しへ | ③ 学ぶ時間と教える時間へ |
| 61.2% AIで浮いた時間のうち、 また仕事に戻っていった割合です。 しかも、その75.4%が「日常の業務」でした | 1時間56分 中身の薄い資料を1件受け取っ た人が、その手直しに使っていた時間です。時間が浮いたのは、送った側だけということになります | 43.8% / 37.3% 週4日以上使う人のうち、 学習時間が増えた人と、 人に教える頻度が増えた人の割合です。 会社でいちばん熱心な人ほど、 増えます |
※①③はパーソル総合研究所「生成AIとはたらき方に関する実態調査」(令和8年2月3日公表)、
②はBetterUp Labsとスタンフォード大学の共同調査(令和7年9月・ハーバード・ビジネス・レビュー掲載)によります。
じつは、これは新しい話ではありません。
160年も前に、言われていたことです。
燃料を節約して使えば消費が減る、と考えるのは、
まったくの思いちがいである。
真実は、その正反対である。
― ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズ『石炭問題』(1865年)第7章より
・私なりに訳しました
石炭を効率よく燃やす機械ができたら、
石炭の消費は減ると思われていました。
ところが、実際には石炭の消費量は増加しました。
安く使えるようになったものは、
かえって、たくさん使われるようになります。
機械もAIも同じです。
浮いたぶんの時間は、 もとの仕事の増加分に、
吸い込まれていきます。

さらに大事なことがあります。
会社でいちばん残業している人は、
さぼっている人ではありません。
いちばん熱心に学んだ人です
新しい道具を覚えて、失敗して、
聞かれるたびに、教えている人。
その時間は、会社の未来そのものです。
気をつけないと、このような、
一番大切にしなくては行けない人が、
つぶれてしまいます。

せっかくAIで浮いた時間で、ご自身と社員さんを守るために、行った方が良いと思うこと
では私たち経営者は、どうすればいいのでしょう。
お金のかからない順に、5つ書きます。


1 AIを入れる前に、「やめること」を1つ決めて、紙に書く
AIで時間を作る前に、まずは業務の流れを整え、
止めてもよいことは、止めましょう。時間を作りましょう。
2 その仕事に、いま誰が何分かけているか。1週間だけ、測ってみる
昨日のブログに書きましたが、
16人の技術者は、19%遅くなっているのに、
20%速くなったと感じていました。
体感は当てになりません。測った数字だけが、判断のもとになります
3 「個人任せ」をやめて、会社として使う業務を、決める
商工中金の調査では、64.9%の中小企業が、
「会社では導入せず、使うかどうかは個人の判断」。
会社主導で入れた先は、経営へのプラス効果が36.6%。
個人任せは26.0%でした。
明らかに、会社主導のほうが良い結果をもたらしています。
4 AIを教えている人の時間を、「仕事」として数える
週4日以上使う人の37.3%が、「人に教える頻度が増えた」と答えています。
いちばん熱心な人が、いちばん残業している。
その時間を認めてあげないと、その人の熱が先に冷めてしまいます
5 国の制度を使う。ただし、1〜4を決めてから
「省力化ナビ」は無料で使えて、しかも資補助金の加点になります。
飲食業・建設業など、様々な業種の改善例が述べられています。
https://labour-saving.smrj.go.jp/

